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美学史特殊講義1

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科目名 美学史特殊講義1
教員名 高橋陽一郎
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 哲学専攻
学期 前期 履修区分 選択必修
授業概要 藝術のもつ倫理的・宗教的役割について、近代美学の代表者の一人ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』の読解を通して考察する。
授業のねらい・到達目標 20世紀以前においては、藝術が倫理や宗教と不可分の営みであり、さらに哲学が藝術や宗教と不可分の関係にあるとする理解のあったことが、本授業を通じて学ばれる。またそのことを通じて、20世紀以降の極度に専門化した哲学や藝術の在り方を相対化する知識を修得できる。
授業の方法 上掲の著作を、基本的には日本語訳で読み進めながら授業を進める。
(1)プレゼンテーションの方法:テキストの音読、板書による説明
(2)授業形式:演習形式と講義形式
本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 ガイダンス:授業のテーマ、到達目標、授業の方法の解説。ショーペンハウアーの哲学全般についての解説
【事前学習】シラバスの内容を確認すること。
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読する。
2 ショーペンハウアーの人生観と倫理学(1):『意志と表象としての世界』第53節の講読(1):カント倫理学との対決
【事前学習】カントの倫理学についてその概要を口頭で説明できるようにしておく。
【事後学習】ショーペンハウアーとカントの倫理学観の違いについてまとめておく。
3 ショーペンハウアーの人生観と倫理学(2):『意志と表象としての世界』第53節の講読(2):藝術としての哲学
【事前学習】ショーペンハウアーが推奨しているプラトン哲学について調べておく。
【事後学習】哲学とイデアとの関係について口頭で説明できるようにしておく。
4 ショーペンハウアーの人生観と倫理学(3):『意志と表象としての世界』第54節の講読(1):物自体と死
【事前学習】カントの「物自体」概念について調べておく。
【事後学習】テキストを再読し、ショーペンハウアーの「物自体=意志」思想を説明できるようにしておく。
5 ショーペンハウアーの人生観と倫理学(4):『意志と表象としての世界』第54節の講読(2):物自体と時間
【事前学習】ショーペンハウアーによるカント哲学の人生論的読み替えについて検討する。
【事後学習】「意志」と「時間」との関係についてメモをつくる。
6 ショーペンハウアーの人生観と倫理学(5):『意志と表象としての世界』第54節の講読(3):意志の否定
【事前学習】苦悩の克服に関する歴代の哲学者たちの考え方を調べておく。
【事後学習】ショーペンハウアーにおける「意志の否定」説のあらましと問題点を解説できるようにしておく。
7 ショーペンハウアーの人生観と倫理学(6):『意志と表象としての世界』第56節の講読:生の苦悩(1)
【事前学習】テキストの第56節をあらかじめ読んでおく。
【事後学習】人間の苦悩と動植物の苦悩というテーマで短文を書けるようにしておく。
8 ショーペンハウアーの人生観と倫理学(7):『意志と表象としての世界』第57節の講読(1):生の苦悩(2)
【事前学習】仏教における「苦」の思想を調べておく。
【事後学習】ショーペンハウアー哲学における「苦悩」の本質について600字程度でまとめておく。
9 ショーペンハウアーの人生観と倫理学(8):『意志と表象としての世界』第57節の講読(2):退屈について
【事前学習】テキスト第57節の「退屈」の部分をあらかじめ読んでおく。
【事後学習】「退屈」の本質についてメモを作る。
10 藝術と人生(1):『意志と表象としての世界』第48節の講読(1):歴史画と倫理について
【事前学習】ラファエロやコレッジョの歴史的評価について調べておく。
【事後学習】歴史画に現れた倫理性について600字程度でまとめておく。
11 藝術と人生(2):『意志と表象としての世界』第48節の講読(2):藝術におけるキリスト教的なものとユダヤ教的なものについて
【事前学習】ユダヤ教とキリスト教それぞれの精神的特性について各自調べておく。
【事後学習】絵画による苦悩からの解脱というテーマについて短文をまとめてみる。
12 藝術と人生(3):『意志と表象としての世界』第49節の講読(1):イデアと概念について
【事前学習】テキスト第49節をあらかじめ読んでおく。
【事後学習】藝術の鑑賞と知識というテーマで短文を書いてみる。
13 藝術と人生(4)『意志と表象としての世界』第49節の講読(2):概念をめぐるカントとショーペンハウアーの違い
【事前学習】あらかじめ配布してある担当者の論文「藝術と美」を読んでおく。
【事後学習】ショーペンハウアーの美的貴族主義に対する疑問点をまとめておく。
14 藝術と人生(5)藝術をめぐる普遍主義
【事前学習】前学期の授業で読んだテキストを再読し、もっとも共感に値するテーマを探しておく。
【事後学習】ショーペンハウアーの絵画観についてメモを作ってみる。
15 まとめ:藝術の倫理的・宗教的側面
【事前学習】カントにおける藝術(美)と倫理との関係についてメモを作っておく。
【事後学習】人生の苦悩のなかの造形藝術というテーマで2000字程度のレポートを作成してみる。
その他
教科書 ショーペンハウアー(西尾幹二訳) 『意志と表象としての世界Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ (中公クラシックス)』 中央公論社
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート(30%)、授業参画度(50%)、テキストの講読担当や問題点等についての発言(20%)
オフィスアワー 授業終了時

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