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心理学1

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科目名 心理学1
教員名 池見正剛
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
学期 前期 履修区分 選択
授業概要 人の心と行動について、特にその独特の情報処理過程と、その所産としての精神や振る舞いの諸相を、統計・実験データや事例とともに紹介する。
 取り上げる理論や研究者が時に他の学問領域に及ぶが、本講義では学際的見地から、心理学的話題の興味深い展開に必要であれば、縦割りのアカデミズムからは距離を置き、ある程度の逸脱には寛容な立場をとる。また本講義はいわゆる教養課程である。
 実務を目的としないという意味で、教養は(結果的、偶発的に役に立つことはあっても)本質的には役に立たないし、またそうであることに何の躊躇いもない。しかし教養は、木を見ながら森も見るような視点の往復と、セオリーに見向きもしない放胆な意思決定には不可欠だ。リベラルアーツ(教養課程)はその為にある。
授業のねらい・到達目標 心理学やその他の人文社会科学に知的関心をもつようになる。
直感的素人理論に頼らずに、自己や他者、社会を分析する態度をもつようになる。
心理学的観点と実験・統計データに基づき現実を理解し、説明し、諸問題に対応できる。

この科目は文理学部(学士( 学))のディプロマポリシーDP1,DP2,DP3,DP4,DP5,DP6,DP7,DP8,DP9,DP10,DP11及びカリキュラムポリシーCP1,CP2,CP3,CP4,CP5,CP6,CP7,CP8,CP9,CP10,CP11に対応しています。
授業の方法 【プレゼンテーションの方法】 パワーポイント、PDF資料(BlackBoardにアップロード)
【授業形態】 講義形式、グループワーク
【試験】 毎回の小テスト(BlackBoard)、最終テスト(持ち込み不可)
【事前・事後学習】本授業では各2時間の学習を目安とする。
下記授業計画は一部変更される場合がある。
授業計画
1 役に立たない教養はなぜ存在するか?
 教養の本質について、授業計画、成績評価方法、Blackboardのコース登録
【事前学習】シラバスを一通り読む。教養の意味について考える(120分)
【事後学習】参考文献の書籍を借りて読む(120分)
2 学習 パブロフの条件反射は、生き残る上で何の役に立つのか? 
 脳は勝手に因果関係を学習し、自動的に最適な反応をしている。その過程に意識は必要ない。
【事前学習】反射、レスポンデント(古典的)条件づけ、プラシボ効果について意味を調べておく(120分)
【事後学習】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(12分)
3 学習 罰のない世界は可能かもしれない。それはユートピアなのか?
 一部の行動学者(つまり心理学者)は罰の効果を否定する。叱ることなしに報酬だけで人は人を制御できるのか?
【事前学習】報酬と罰、オペラント(道具的)条件づけ、強化、分化強化について意味を調べておく(120分)
【事後学習】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
4 情動 比較的最近まで心理学者も分からなかった。感情は何の役に立つのか?
 シンギュラリティに到達した人工知能は、いずれ感情をもつのか?
【事前学修】情動、感情、進化論、吊り橋実験、互恵的利他主義について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
5 記憶 みんな正しいと信じている自分たちの記憶は、比較的容易に変容する。
 思い出すという過程は、どちらかというと脳から情報を「取り出す」というより、再度「作り出す」のに近い。
【事前学修】二重記憶モデル、潜在記憶、事後情報効果、無意識の剽窃について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
6 人格 我が国の教育現場で比較的よく使用される人格テストで性格を測定してみる
 フロイト流の精神分析は時間がかかりすぎる。そこでエリック・バーンは5つの自我エネルギーを想定した。
【事前学修】交流分析理論について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
7 知覚 ヒトは外界を“目で見ている”というより“脳で想像”しているらしい。
 モノが見えるというメカニズム自体、実はまだよく分かっていないが、その一端を概観する。
【事前学修】視知覚の恒常性、非感性的完結化、大きさ距離不変の法則について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
8 無意識 意識が判断する前に、無意識が判断している
 私が私を制御していると感じるのは錯覚なのか? B.リベットの実験がもたらした波紋。
【事前学修】無意識、準備電位について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
9 意識 人類は最初、意識を持ち合わせていなかったという奇妙な説
 J.ジェインズの大胆な主張、日常生活する上で意識はそれほど必要ないのかもしれない。
【事前学修】認知考古学について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
10 ポジティブ心理学 壁を乗り越えられる人間とそうでない人間の、あるセンスの違い
 人は失敗した時に3つのことを無意識に考える。そのパターンによってその人の未来が見えてくる。
【事前学修】原因帰属について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(12分)
11 遺伝と環境 その社会的成功は本当に自分の努力で勝ち取ったと言えるのか?
 成功者はみんなそう思い高額な報酬を当然と考えるが、遺伝と環境という視点から考えると…?
【事前学修】遺伝と環境の相互作用説について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
12 精神疾患 異常な精神を通して考える正常な精神の実像
 目の前の患者が解離性同一性障害かもしれないと分かると知的興奮を覚える精神科医がいる。なぜか?
【事前学修】解離性障害、多重人格障害、代理性ミュンヒハウゼン症候群について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
13 進化心理学 よくある男女の恋愛ドラマは、既に原始の昔からどれも延々と繰り返されてきた
 そんな彼らの駆け引きは、全て配偶子(精子と卵子)の大きさの違いに起因する。
【事前学修】進化心理学、短期配偶戦略、長期配偶戦略、実効性比について意味を調べておく(120分)
【事後学修】Black Boardにアップされた授業内配布資料を読み返し、復習ドリルを実行する(120分)
14 休講代替オンライン課題
 図書館から人文社会科学やポピュラーサイエンス関連の教養関係(実用書は不可)の書籍を借りて読む。
【事前学修】そこから興味深い事実を1つ掲示板に投稿する(120分)
【事後学修】他の学生の投稿から最も興味深いものに++、次に興味深いものに+で返信する(120分)
15 最終テスト(持ち込み不可)、総括、および全学生の評価ポイントの確認
【事前学修】アップロードされたこれまでの授業内配布資料に目を通しておく(120分)
【事後学修】参考文献に記された書籍から好きなものを選び読む(120分~)
その他
教科書 使用しない
参考書 ◆マルコム・グラッドウェル 『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』 光文社 2006年
◆ゲアリー・マーカス 『脳はあり合わせの材料から生まれた それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ 』 早川書房 2009年
◆リチャード・ドーキンス 『利己的な遺伝子 』 紀伊國屋書店 2006年
◆西田公昭 『マインド・コントロールとは何か』 紀伊國屋書店 1995年
◆トール・ノーレットランダーシュ 『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』 紀伊國屋書店 2002年
◆ユヴァル・ノア・ハラリ 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』 河出書房新社 2016年
◆デイヴィッド・イーグルマン 『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』 早川書房 2012年
◆デイヴィッド・J・リンデン 『脳はいいかげんにできている その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ』 河出書房新社 2017年
◆エレーヌ・フォックス 『脳科学は人格を変えられるか? 』 文藝春秋 2014年
◆トッド・E・ファインバーグ、ジョン・M・マラット 『意識の進化的起源 カンブリア爆発で心は生まれた』 勁草書房 2017年
◆ジョセフ・シュガーマン 『シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガー (引き金) とは』 フォレスト出版 2006年
◆ダン・アリエリー 『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』 早川書房 2013年
◆シーナ・アイエンガー 『選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義』 文藝春秋 2014年
◆ケヴィン・ダットン 『サイコパス 秘められた能力』 NHK出版 2013年
◆ジェームス・ファロン 『サイコパス・インサイド ある神経科学者の脳の謎への旅』 金剛出版 2015年
◆デーヴ・グロスマン 『戦争における「人殺し」の心理学』 筑摩書房 2004年
以上、全て文理学部または他学部に所蔵(他学部所蔵書は文理学部図書館で受付すれば借りられる)
成績評価の方法及び基準 試験(20%)、授業内テスト(50%)、自発的学習態度(30%)
最終試験は持ち込み不可。授業内テストは毎授業最後の5分程度でBlackBoardにより行う。
自発的学習態度とはBlackBoardにアップロードされた任意(非強制)の復習ドリルの最高得点で評価される。
授業中の不適切な態度(私語、途中退室、最前列の居眠りなど)で注意を受けた場合、最終的な成績が1段階下がる。
5回以上の欠席で単位を失うが、公欠届け、診療明細コピー、冠婚葬祭案内コピーその他の事前事後提出があれば出席とみなす。
オフィスアワー 授業後、教室または講師室で20分程度。

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