スポーツメンタルマネジメント

科目名	スポーツメンタルマネジメント
教員名	水落文夫
単位数	2	学年	2	開講区分	文理学部（他学部生相互履修可）
学期	後期	履修区分	選択

授業概要	スポーツ心理学はスポーツをする人の心理的課題に対する具体的解決方法を提案している。そこで，円滑なスポーツ活動やスポーツ競技者の競技力向上と実力発揮に関わる心の問題とスキルについて，スポーツ心理学の理論・モデルに基づき，心理サポートの方法に関連させて解説する。各競技団体および選手に対するスポーツメンタルトレーニングの指導経験を有する教員が，その経験を活かして，スポーツメンタルトレーニングの理論的背景と具体的な方法について講義する。
授業のねらい・到達目標	運動・スポーツを行なうことや，その能力を高めることに心の問題は切り離せない。スポーツ心理学の分野で研究され実践された知見をもとに問題の本質を特定し，その特性を理解するとともにコントロールする手段を探れるようになる。これにより，スポーツや運動行動にともなう心理的なことがらを，様々な角度から科学的・客観的に分析・評価して指導できる基礎的知識と態度を身につけることを目的とする。この科目は，文理学部（学士（体育学））のディプロマポリシーDP1，およびカリキュラムポリシーCP1,2,9,10に対応している。
授業の方法	授業形態は講義形式であり，プレゼンテーションはパワーポイントおよび視聴覚メディアによって行う。スポーツをする人の心理的コンディショニングやメンタルトレーニングについて，様々なモデルや実践例を紹介しながら解説する。授業テーマによってはその簡単な方法を体験したり，心理テストを利用するなど，演習的に進めるときもある。本授業の事前・事後学習は，各2時間の学習を目安とする。

授業計画
1	スポーツと心（1）スポーツ選手の心理的サポート [事前学習]シラバスを事前に確認すること。 [事後学習]第2回以降の授業に備え，配布した資料冊子を通読してスポーツメンタルトレーニングに関連する専門用語に慣れるようにする。
2	スポーツと心（2）スポーツ選手の競技生活と実力発揮を阻害する心理的要因 [事前学習]資料冊子pp.97-106を読んで，心理的スキルの概念を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.97-106の記述と講義を振り返り，心理的スキルの構成要素を説明できるようにしておく。
3	スポーツと心（3）スポーツ選手の心理的ストレスと問題行動 [事前学習]資料冊子pp.101-110を読んで，競技における心理的ストレスについて確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.101-110の記述と講義を振り返り，心理的ストレスと競技行動の関係を説明できるようにしておく。
4	心理的コンディショニング（1）選手と指導者の心理的課題と求められる心理的スキル [事前学習]資料冊子pp.107-114を読んで，競技における感情と行動の関係を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.107-114の記述と講義を振り返り，競技における感情の影響を説明できるようにしておく。
5	心理的コンディショニング（2）メンタルトレーニングの概要と環境 [事前学習]資料冊子pp.115-122を読んで，メンタルトレーニングの一般的な流れを確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.115-122の記述と講義を振り返り，メンタルトレーニングの一般的流れと留意点を説明できるようにしておく。
6	心理的コンディショニング（3）スポーツ選手の目標設定と動機づけ [事前学習]資料冊子pp.132-137を読んで，メンタルトレーニングの目標設定技法の役割を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.132-137の記述と講義を振り返り，目標設定ワークシートをまとめる。
7	心理的コンディショニング（4）スポーツ選手のリラクセーションとストレスマネジメント [事前学習]資料冊子pp.139-144を読んで，メンタルトレーニングのリラクセーションとサイキングアップの両技法の役割を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.139-144の記述と講義を振り返り，リラクセーションスキルとその習得方法を説明できるようにしておく。
8	心理的コンディショニング（5）スポーツ選手の注意様式と注意集中 [事前学習]資料冊子pp.145-151を読んで，メンタルトレーニングの注意集中技法の役割を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.145-151の記述と講義を振り返り，注意集中スキルとその習得方法を説明できるようにしておく。
9	心理的コンディショニング（6）イメージの機能およびスポーツ選手のイメージ活用 [事前学習]資料冊子pp.152-157を読んで，メンタルトレーニングのイメージ技法の役割を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.152-157の記述と講義を振り返り，イメージの種類とそれぞれのイメージの使い方を説明できるようにしておく。
10	心理的コンディショニング（7）スポーツ選手の認知・思考および情動・行動の変化 [事前学習]資料冊子pp.160-166を読んで，メンタルトレーニングの認知・思考技法の役割を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.160-166の記述と講義を振り返り，認知・思考変容のプロセスとスキル習得の方法を説明できるようにしておく。
11	心理的コンディショニング（8）スポーツ競技の実力発揮を支援する方法および活用する技法 [事前学習]資料冊子pp.123-129を読んで，試合前に行う心理的コンディショニングの具体例を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.123-129の記述と講義を振り返り，試合で目指す心理状態とそれを導くルーティンなどの方法を説明できるようにしておく。
12	個人と集団（1）スポーツ集団の構造と機能，リーダーシップ，指導者のメンタルマネジメント [事前学習]資料冊子pp.172-185を読んで，スポーツ集団の育成に果たすリーダーシップの役割を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.172-185の記述と講義を振り返り，チームビルディングの方法とこれに影響するリーダーシップ機能を説明できるようにしておく。
13	個人と集団（2）選手を取り巻く重要な他者の存在と機能 [事前学習]資料冊子pp.177-182を読んで，ジュニア選手に対する親の役割を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.177-182の記述と講義を振り返り，スポーツ競技において良い重要な他者の条件を説明できるようにしておく。
14	個人と集団（3）パーソナリティと社会的スキル [事前学習]資料冊子pp.186-191を読んで，集団におけるコミュニケーションスキルの役割を確認しておく。 [事後学習]資料冊子pp.186-191の記述と講義を振り返り，スポーツ集団におけるパーソナリティと社会的スキルの機能を説明できるようにしておく。
15	これまでの授業内容のまとめと習熟状況の確認（習熟度テストとその解説を行う）。 [事前学習]資料冊子を通臆して第2回～第14回の授業内容を見直しておく。 [事後学習]確認された習熟状況をもとに，スポーツをする人の心理サポートの課題を検討しておく。

その他
教科書	資料冊子「スポーツ心理学・メンタルマネジメント資料集」を配布する
参考書	日本スポーツ心理学会『スポーツメンタルトレーニング教本（三訂版）』大修館書店 2016年第三訂版
成績評価の方法及び基準	試験(90%)、レポート(10%) 「レポート」の評価は，第3回，第6回，第11回で示す計3回の小レポートで行う。
オフィスアワー	体育学科第１実験室，土曜日15:00～17:00