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民俗学2

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科目名 民俗学2
教員名 斎藤弘美
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業概要 民俗学の基礎知識を4つのキーワードをもとに身につけるとともに、「いま」の私たちと「むかし」の日本人をつなぐ民俗の知恵について考える。
さらに2019年度後期授業では、30年ぶりに行われる「大嘗祭」を機に民俗学の視点から「天皇」や「祝日」について解説し、現代的な課題を考えるための「自省の学」としての民俗学の意味を知る。
授業のねらい・到達目標 「いま」に生きている私たちが無意識に継承している『民俗』に気づく。
そうした自らの内にある『民俗』の意味を知り、自分たちの現在の生活との関わりを考えていくことで「現在の課題に答える学問」として登場した民俗学の可能性を探り、最終的に授業を通して自ら「気づく」「考える」「当たり前を疑う」習慣が身につく。

この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP1及びカリキュラムポリシーCP1に対応しています。
授業の方法 講義形式で進めるが、講義を聴くことで湧いてきた疑問には、毎回、質問票に答える形で双方向授業を行う。
また、理解を助けるために関係資料の配付やDVD等の視聴も適宜入れていく。
事前学習として、前回までの履修内容を確認し、次の授業の理解に備えること。
授業中の板書は要点項目のみ記載するので、事後学習で必ずノートを整理し、復習しておくこと。
授業終了時に提出するリアクションペーパーの質問については次の授業で答えていくが、当然それについても授業の一環であると認識しておく。
実際に民俗を体験し、考えることも大切なので、授業の最後にレポートの提出を求める。
授業で最も大切なのは「気づく」「考える」習慣。これを身につけられるよう重要な項目については繰り返し触れていく。
本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 はじめに ~ お月見っていつするもの?民俗と月との親密な関係を知ろう!(「民俗学」とはどのような学問かを説明する。授業方法についても説明する)
【事前学習】シラバスを事前に確認すること
【事後学習】第2回以降の授業に備え、この日の板書を元に自らノートを整理し、特に月と民俗に関する理解を深めておく。
2 民俗学入門・知っておきたいキーワードその1「ハレとケ」 ~イベント化する儀礼(年中行事編)(各地で行った民俗調査内容を参考に)
【事前学習】前回の授業内容を整理し、民俗学の基礎知識について復習しておく。また疑問点があればメモしておく。
【事後学習】その日のうちに授業で扱った「年中行事とハレとケ」について、ノートを整理し、理解を深める。自分がこれまで経験してきた年中行事や祭りなどについても、民俗学の視点からとらえなおしてみる。
3 キーワードその1「ハレとケ」 ~イベント化する儀礼(人生儀礼編)(各地で行った民俗調査内容を参考に)
【事前学習】前回までの授業内容を整理し、「ハレとケ」について理解し、説明できるようにしておく。また疑問点があればメモしておく。
【事後学習】その日のうちに授業で学んだ「人生儀礼のハレとケ」についてノートを整理し、理解を深める。これまでに自分が関わった、あるいは見聞きした人生儀礼に関して、民俗とのかかわりをあらためて考えてみる。
4 キーワードその2「共食」 ~「同じ釜のメシを食う」ことの意味(各地で行った民俗調査内容を参考に)
【事前学習】前回までに授業で扱った「ハレとケ」についての民俗を整理、理解し、疑問点をメモしておく。
【事後学習】その日のうちに今回のテーマである「共食」の意味について授業内容をノートに整理し、理解を深めるとともに、実際に自分たちの生活において行われている供食の事例についても考えてみる。
5 民俗に関係が深い?! ボジョレーヌーボー、ハロウィン、もちろんクリスマスも~外来文化の受容のしかた
【事前学習】前回までの授業内容を整理し、とくに「ハレ」「供食」「年中行事」というキーワードに関して復習しておく。疑問点があればメモしておく。 
【事後学習】その日のうちに授業で学んだ日本における外来文化受容と民俗について、ノートを整理し、理解を深める。思わぬところに民俗は根付いていることを自ら気づき、認識する。
6 勤労感謝の日は誰に感謝するの? ~ 30年ぶりの大嘗祭と日本の祝日を民俗学から考える
【事前学習】前回の授業内容を整理し、民俗はどのように私たちの生活に関わっているかをあらためて考えてみる。また疑問点があればメモしておく。
【事後学習】その日のうちに授業で扱った「祝日」や「大嘗祭」の意味についてノートを整理し、理解を深める。
「大嘗祭」については、テレビや新聞、ネットニュースなどの報道を授業で学んだ民俗学の視点から見てみる。
7 キーワードその3「イエとムラ」 ~「遠い親戚より近くの他人」がつくる安心・安全なムラのウチ(群馬県等で行った民俗調査内容を参考に)
【事前学習】前回までの授業内容を整理、理解し、疑問点をメモしておく。
【事後学習】その日のうちに授業内容についてノートを整理し、「ムラ社会の民俗)」についての理解を深める。自分の経験としてウチとソトという観念が無意識の中に存在することに気づく。
8 キーワードその3「イエとムラ」 ~ 縦に延びる同族、横に広がる親戚 (静岡県等で行った民俗調査内容を参考に)
【事前学習】前回の授業内容からムラのウチとソトについての観念を整理、理解しておく。疑問点があればメモしておく。
【事後学習】その日のうちに授業で学んだ親族関係の民俗について、ノートを整理し、理解を深める。また自分の親族関係を調べて表にしてみる。
9 キーワードその3「イエとムラ」 ~「会社はイエ、社員は家族」日本の老舗は世界最強!
レポート執筆の要領とテーマ設定についての解説をする(提出は第15回授業内)
【事前学習】前回までの授業で学んだ「ウチとソト」「親族」について理解できているかどうか、あらためて確認しておく。そのうえで疑問点があればメモしておく。
【事後学習】授業で学んだ「日本社会のイエ的構造」について、ノートを整理し、理解を深める。また、今回提示されたレポートテーマに関して、レポートの構想を自分なりに考えてみる。
10 キーワードその4「ウチとソト」 ~「渡る世間」はなぜ鬼ばかりか 
【事前学習】前回までの授業内容を整理し、「ウチとソト」についての理解を確かめておく。疑問点はメモしておく。
【事後学習】その日のうちに授業で扱った日本人にとっての「世間」についてノートを整理し、理解を深める。またレポートについては構想をまとめて、執筆の準備を進める。
11 キーワードその4「ウチとソト」 ~日本家屋の不思議・交差する「ウチとソト」(静岡県等で行った民俗調査内容を参考に)
【事前学習】前回の授業で学んだ「世間」という日本人の人間関係をについて復習しておく。疑問点があればメモしておく。
【事後学習】その日のうちに授業で学んだ「日本家屋におけるウチとソト」についてノートを整理し、理解を深める。可能であれば民家園や資料館などに行き、伝統的な日本家屋を見学し、実際にウチとソトを意識した家のつくりを体験してみる。同時にレポート執筆の準備を進める。
12 魂が増えるお正月 ~ 正月を前に、日本のお正月の味わい方を学ぼう(各地で行った民俗調査内容を参考に)
【事前学習】授業の初期に学んだ「年中行事とハレ」について復習しておく。疑問点はメモしておく。
【事後学習】その日のうちに授業で学んだ「正月の意味」についてノートを整理し、理解を深めるとともに、実際に正月を民俗的な視点で観察、あるいは体験してみる。同時にレポート執筆を進める。
13 後期講義内容の整理と解説 ~ 授業を振り返り、何を学んできたか総括する。レポート執筆の要領とテーマ設定について再確認する(提出は第15回授業内)。
【事前学習】第1回~第12回の授業内容に関して、あらためて自分のノートを整理し、理解を深める。レポートの書き方や内容についての疑問点があればメモしておき、質問する。
【事後学習】あらためて自分のノートを整理し、授業内容の理解を深める。レポートに関しては執筆を進め、締め切りまでに仕上げられるようにする。
14 授業内テストと解説 ~ 授業で学んだポイントを再確認する
【事前学習】第1回~第13回の授業内容に関して、あらためて自分のノートを整理し、理解を深め、テストを受ける準備をする。
【事後学習】試験結果を自分なりに振り返り、理解の足りなかった部分を確認しておく。レポートに関しては執筆を進め、締め切りまでに仕上げられるようにする。
15 試験結果講評と後期授業のまとめ・レポート提出 ~現代に生きる民俗、活かす民俗。これから生きていくために役立つ「民俗の知恵」について考える。
【事前学習】試験結果について、疑問点があればメモしておく。レポートは執筆要領通りにかかれているかを確認しながら、完成させる。
【事後学習】「民俗学2」を受講して、自ら「気づく」「考える」「当たり前を疑う」習慣が身に付いたかどうか確認する。
その他
教科書 なし
参考書 授業中に必要に応じて指示する
成績評価の方法及び基準 レポート(35%)、授業内テスト(35%)、授業参画度(30%)
第14回に授業内テストを行うとともに、第15回にレポートを提出する。
授業参画度は毎回のリアクションペーパ等で評価する。
オフィスアワー 非常勤講師室または授業実施教室にて、授業の前後
備考 前期の民俗学1から継続して受講することが望ましい(その方が面白い!)

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