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社会学概論2 社会学科学生以外

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科目名 社会学概論2 社会学科学生以外
教員名 河合恭平
単位数    2 学年    1 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
学期 後期 履修区分 選択必修
授業概要 現代社会の諸問題を捉える
授業のねらい・到達目標 【授業のねらい】
 社会に問題があると言うことは容易ですが、何が真に問題であるのか、あるいはそうでないのか、また、どれくらい問題であるのか、等々を把握することは容易ではありません。自分自身が現代社会の諸問題に巻き込まれていたり、諸問題が社会秩序の維持に対し致命的であったりするのはどういうときなのでしょうか。
 前期の社会学概論1では社会学の基礎概念を扱いましたが、この講義では、現代社会により関わるトピックにアプローチし、トピックごとに社会理論や見方・考え方を学習します。特に、それらトピックに関する諸問題を把握することを主たるテーマとしています。そして、身近な話題や事例から現代社会の理解へとつなげることで、社会学の基礎知識の習得だけでなく、受講生自身の問題関心を養い、深めることをも講義のねらいとしています。

【到達目標】
①現代社会に関する社会理論や概念を身につけ、その内容を説明できる。
②社会理論や概念を用いて、現代社会の抱える諸問題を把握し、具体的事例とともにその問題の論理を説明できる。
③講義での学習内容を通じて自身の問題関心を形成し、それを表現することができる。

この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2及びカリキュラムポリシーCP2に対応しています。
授業の方法 パワーポイントによる講義形式がメインになりますが、内容理解を促すために、映像などの視聴覚資料の活用や、人数等によりグループワーク、ワークシートの作成、挙手や発言を促すなどを行います。身構える必要はなく、気軽ながら積極的な参加を期待します。
本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 オリエンテーション(授業概要を詳細に説明する。また、この授業を受けるうえで社会学的な理解のコツを紹介する。)
【事前学習】シラバスをよく読み、講義概要を大まかに掴んでおく。
【事後学習】シラバスの内容との関わりで、これまでに学習してきたことを振り返る。
2 近現代史における諸問題の事例の概観
(私たちは歴史上、どのような社会秩序の壊滅的な経験をしてきたのか。主に、事例として第一次・第二次世界大戦時の歴史を学ぶ。)
【事前学習】自身が日常的に問題だと感じていることについて、新聞やニュースをも活用しながら振り返っておくこと。
【事後学習】第2回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
3 人間の尊厳と人権
(尊厳と人権の歴史的展開を学び、この概念の現代的な理解を深める。)
【事前学習】人間の尊厳や人権とは何か、第2回の講義を振り返りながら自分なりに考える。
【事後学習】第3回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
4 移民・難民・外国人
(移民、難民、外国人の違いとは何か。移民・難民と私たちは、どのような関係にあり、どのような問題に関わっているのか。)
【事前学習】身の周りの生活や新聞等から移民・難民について見聞きしたことを思い返し、第3回の講義を振り返りながら、移民・難民と人権侵害の関わりについて考えておく。
【事後学習】第4回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
5 国家とナショナリズム
(国家およびナショナリズムをめぐる争いや対立はなぜ起こってしまうのか?)
【事前学習】第4回の講義を振り返りながら、国家という言葉は、普段どういう意味で用いられているか考えておく。
【事後学習】第5回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
6 福祉国家論
(税金、保険料、権力、排除……。私たちの生活の助けになるはずの福祉国家はこれらとどのような関係にあり、今日ではどのような問題があるのか?)
【事前学習】第5回の講義を振り返りながら、国による福祉の違いや、日本の福祉の特徴や問題をイメージしておく。
【事後学習】第6回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
7 ナチスと全体主義
(これまでの講義で扱ってきた諸テーマと全体主義としてのナチスの成立とは、どのような関係があるのか?)
【事前学習】これまでの回で学習してきた諸問題が拡大し、破綻したとき、我々の社会がどのようになりうるのか考えておく。
【事後学習】第7回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
8 集団と組織
(なぜ組織は窮屈に感じられるのに、所属したがるのか? フリーターと組織の昔と今を比較し、組織論を学ぶ。)
【事前学習】会社という組織にどのようなイメージ(肯定・否定的)があるか考えておく。
【事後学習】第8回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
9 大衆社会論
(なぜ、周りと同じでないと不安なときがあるのか? 群衆・公衆・大衆の違い、トクヴィルの大衆社会論について学習する。)
【事前学習】普段、どういう人を指して大衆という言葉を用いているか考えておく。また、第8回の講義を復習しながら、集団や組織と大衆とがどう違うのか考えておくこと。
【事後学習】第9回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
10 悪の凡庸さ
(ナチスによるユダヤ人虐殺への加担者は普通の人なのか? どのようにして虐殺の状況が生じたのか?)
【事前学習】「悪の凡庸さ」という言葉から受けるイメージとその意味について、これまでの講義で学習した現代社会の諸問題と関係づけて考えておく。
【事後学習】第10回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
11 ICT(SNS・ビッグデータ・AI)と科学社会学
(SNSやAIは何となく煩わしく、怖い? ICTの基礎を学び、科学社会学の観点からその利点・欠点を見極める。)
【事前学習】自身のSNSへの関わりを振り返り、その利点・欠点を考えておく。また、ICTなどのアルファベットの略語の意味を調べておくこと。
【事後学習】第11回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
12 リスク社会論
(SNSやAIはリスクがいっぱい!? リスク社会論を学習し、その観点からICTを考察する。)
【事前学習】第11回の講義を振り返り、ICTへの自身の関わりを踏まえながら、そこには、どれくらいの、また、どういうリスクがありうるか考えておく。
【事後学習】第12回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
13 ICTとメディア論
(なぜSNSは疲れたり炎上したりするのに、ハマってしまうのか? メディア論を学び、SNS上の問題現象を考える。)
【事前学習】第7回以降の講義のあらましを振り返り、テレビやインターネットが社会で果たしている効果や役割を、自身の経験とともに考えておく。
【事後学習】第13回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
14 熟議
(話し合いは重要だと思うけど、面倒くさい? 問題への対処として熟議というあり方と、それに関する社会理論を学ぶ。)
【事前学習】第13回の講義を振り返り、インターネット上の経験なども踏まえながら、「話し合うこと」の利点・欠点を考えておく。
【事後学習】第14回の配布資料を読み直し、練習問題を解く。
15 学期末試験と解説
(筆記による学期末試験およびまとめ解説を行う。)
【事前学習】講義内で知らせたポイントに基づき、試験の準備をする。
【事後学習】試験問題と配布資料の関連箇所を見直す。
その他
教科書 教科書は指定しない。
参考書 塩原良和 『分断と対話の社会学――グローバル社会を生きるための想像力』 慶應義塾大学出版会 2017年
佐藤成基 『国家の社会学』 青土社 2014年
盛山和夫・金明秀・佐藤哲彦・難波功士編 『社会学入門』 ミネルヴァ書房 2017年
成績評価の方法及び基準 試験(70%)、授業参画度(10%)、リアクション・ペーパー(20%)
・試験は学期末試験によって評価します。
・授業参画度は、授業内のグループワークや挙手等で評価します。
・リアクション・ペーパーは毎回課し、授業内容への意欲や理解が示され、また発展的な意見や質問があるかどうかを基準に評価します。
オフィスアワー 授業終了時
備考 ・毎回の講義後半に、板書によるまとめを行うので、ノートやルーズリーフを用意してください。
・毎回の講義の終わりに、その回の内容を振り返り、知識を定着させるために、簡単な確認テストを行います。

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