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科目名 | 社会思想の基礎 | ||||
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教員名 | 松岡雅裕 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2・3 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 社会学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業概要 | 社会学的発想の源ともいうべき「社会思想(および社会学思想)」の基礎を学びます。 社会思想(および社会学思想)の基礎を学ぶことによって、「社会学的な問題意識」を育んで行こう。 |
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授業のねらい・到達目標 | この授業は、つぎの3部構成によって成り立っています。 第1部:社会思想の初期展開過程をたどっていくと、やがてそれが「近代資本主義」という一つの社会体制の正当化にたどり着いていった経緯が理解できます。この点を、ホッブスやロックの社会契約思想、アダム・スミスに代表される自由主義経済思想、およびヘーゲルの国家共同体論のなかに探ります。 第2部:近代資本主義の問題点を最もシビアに指摘したマルクス主義思想の展開過程が理解できます。 第3部:現代の資本主義社会がもたらす生活様式(生産労働や消費)、またそこに要請される倫理的な問題が理解できます。 この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2及びカリキュラムポリシーCP2に対応しています。 |
授業の方法 | 講義形式が中心となりますが、たんに社会思想の基本的エッセンスを述べるにとどまらず、それらが現代に与えた影響、そして何よりもそこから現代社会がいかに読み取れるのか、またいかなる解決の道筋を教えてくれるのか言及したいと思います。 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
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1 |
講義テーマと授業スケジュールの解説(社会思想の持つ重要性の認識。3部構成からなる授業内容の概略) 【事前学習】シラバスを事前に確認すること。 【事後学習】第2回以降の授業に備え、参考文献等を確認すること。 |
2 |
問題提起としての英国市民革命と資本主義社会の勃興(ホッブスの社会契約思想、およびJ.ロックのピューリタニズム的私有財産制) 【事前学習】英国市民革命の概要について確認すること。 【事後学習】社会契約の理念について整理をする。 |
3 |
古典派経済学は何をもたらしたか(アダム・スミスの『道徳感情論』と『国富論』を中心に) 【事前学習】重商主義時代の概要について確認すること。 【事後学習】自由主義経済の理念について整理をする。 |
4 |
資本主義体制のなかの調和的市民社会像(カント、フィヒテ、ヘーゲル等ドイツ観念論の系譜と弁証法的国家共同体論) 【事前学習】ドイツ観念論の概要について確認すること。 【事後学習】ヘーゲルの弁証法哲学の理念について整理をする。 |
5 |
マルクス思想・史的唯物論の登場(なぜ、マルクスとエンゲルスは労働と私有財産制に着目したのか) 【事前学習】イギリス産業革命の概要について確認すること。 【事後学習】マルクスとエンゲルスの史的唯物論の理念について整理をする。 |
6 |
資本主義社会における疎外・物象化・イデオロギー問題(マルクス思想の遺産) 【事前学習】今日的な労働問題について認識を新たにしておく。 【事後学習】マルクス思想の意義について整理をする。 |
7 |
資本主義の発展段階説(レーニンの帝国主義論と宇野弘蔵・大内力の国家独占資本主義論から読み取れるもの) 【事前学習】ロシア革命と第一次世界大戦の概要について確認すること。 【事後学習】今日の先進国と途上国の関係について整理をする。 |
8 |
資本主義社会における隠れた支配形態(グラムシのヘゲモニー論、マルクーゼの抑圧的寛容論、アドルノの文化産業論) 【事前学習】マルクスの社会構成体論を復習・確認すること。 【事後学習】フランクフルト学派の社会学思想について整理をする。 |
9 |
資本主義が暗示する生活様式1(生産・労働活動に関するヴェーバーとD.ベルの見解) 【事前学習】M.ヴェーバーの『プロ倫』について確認すること。 【事後学習】資本主義社会におけるエートスの変遷について整理をする。 |
10 |
資本主義が暗示する生活様式2(消費社会に関するリースマンとボードリヤールの見解) 【事前学習】社会的性格論に関する「他人指向型」を確認すること。 【事後学習】差異的消費について整理をする。 |
11 |
資本主義社会における倫理的要請1(ケインズの福祉国家論と、これに反発するハイエクのネオ・リベラリズム) 【事前学習】福祉国家という概念について確認すること。 【事後学習】新自由主義思想の問題点について整理をする。 |
12 |
資本主義社会における倫理的要請2(ロールズの分配正義論、およびギデンズのグローバリゼーション論) 【事前学習】社会的倫理という概念について確認すること。 【事後学習】グローバリゼーションの問題点について整理をする。 |
13 |
資本主義社会の残された今日的課題(資本主義社会の将来) 【事前学習】受講生各自の資本主義社会に関する将来展望を確認すること。 【事後学習】各自の問題意識と授業内容の接点を探る。 |
14 |
まとめ(補足と総括的討論・質疑応答) 【事前学習】講義内容全般に関する疑問点を確認すること。 【事後学習】疑問点の解消について整理をする。 |
15 |
試験と解説 【事前学習】第2回~第14回の内容を復習すること。 【事後学習】学修した内容の整理をする。 |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 松岡雅裕ほか 『行為、構造、文化の社会学』 学文社 他に参考書としては、高校時代に使用した歴史・公民科目の教科書や資料集は結構役立ちます。取り上げる思想家に関する予備知識や時代背景を事前・事後学習する場合に活用してください。 |
成績評価の方法及び基準 | 試験(70%)、授業参画度(30%) 授業参画度は、授業中の問いかけに対する回答の適切さ、また、ディスカッションにおける発言の適切さで評価します。 |
オフィスアワー | 社会学科松岡雅裕研究室。原則水・木・金曜日。 |
備考 | 本講義は、大衆社会の諸問題を取り扱う後期開講の「社会思想の展開」と相互に密接な関連をもっています。併せて受講することが望ましいです。 また、本講義の理解をサポートするために、松岡担当の総合教育科目「思想と文化2(前期開講)」を併せて受講することを薦めます。 |