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差別の社会学

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科目名 差別の社会学
教員名 好井裕明
単位数    2 学年 2・3 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 選択
授業概要 現代日本社会においては、性的マイノリティの問題、障害者問題、ジェンダーにかかわる差別、在日朝鮮人問題、在日外国人問題、部落差別問題など、さまざまな差別問題が現象しています。本授業では、まず社会学的発想のもとで、差別とはどのような現象であり、どのように定義し、どのように現象を解読し、分析できるのかを現象学的社会学やエスノメソドロジーという現代社会学理論の最先端を用いて講義します。その後、個別の差別問題を講義しながら現状を解説し、日常生活の中で、こうした問題と私たちがどのように向き合っていけばいいのかを考えていきます。
授業のねらい・到達目標 日常生活におけるさまざまな差別を考えることは、他者と常に関係し繋がりを持ち続ける存在、すなわち社会的存在としての私たちのとって、必須の営みであり、差別をどう考え、差別にどう向き合えるかについての知識や方法を社会学が提供できるのです。日常生活に「あたりまえ」のように生起する差別を批判的に捉えることができる社会学的で専門的な知や知的センスを習得することが本授業のねらいであり、到達目標です。

この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP2及びカリキュラムポリシーCP3に対応しています。
授業の方法 基本的には、必要な事項などを板書しながら、講義形式で進めます。ただ個々の差別問題をより身近な出来事として実感し、映像もまた差別問題の社会学にとって意義ある素材であることを実感してもらうために、講義中に3回か4回、映像を視聴し、映像の解読をします。

本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 差別とはどのような現象をいうのか:日常的現象としての差別
【事前学習】新聞やテレビなどでどのような差別問題がとりあげられているのか、調べておく。
【事後学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第1章を読む。
2 差別を考える二つの基本:差別ー被差別の関係性と「差別する可能性」
【事前学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第1章を、今一度読み、理解を深める。。
【事後学習】受講生各自の日常にある「差別する可能性」について考えてみる。
3 日本社会固有の現象としての部落差別問題:歴史・文化的経緯から考える
【事前学習】中高での人権教育で部落問題をどう習ったかを思い起こしておく。
【事後学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第2章を読む。
4 被差別の文化・反差別の生きざまを知る:生活史聞き取り調査から
【事前学習】自分の親や近しい人に部落差別について知っていることを聞いておく。
【事後学習】テキスト『差別原論』の第3章を読む。
5 社会啓発・市民啓発の問題点を考える:部落問題をとりあげた市民啓発用ドキュメンタリーを視聴する
【事前学習】自治体のHPなどを調べ、人権問題の啓発がどうなっているかを調べておこう。
【事後学習】テキスト『差別原論』の第4章を読む。
6 障害者問題を考える二つの基本:ノーマライゼーション(「あたりまえ」の社会づくり)
【事前学習】現在どのようなバリアフリーがあるかを考えておく。
【事後学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第9章を読む。
7 障害者問題を考える二つの基本:メインストリーミング(障害者解放運動・自立生活運動)
【事前学習】これまでの障害者との出会いをふりかえっておく。
【事後学習】テキスト『差別原論』の第6章を読む。
8 当事者が「生きづらい社会」とどう向き合っているのかを考える:自立生活運動のドキュメンタリーを視聴する
【事前学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第3章を読む。
【事後学習】ドキュメンタリーで描かれている障害当事者の「生きづらさ」を整理しておく。
9 ジェンダーの社会的構築:「女/男らしさ」の存立を考える
【事前学習】各自がどのような「らしさ」を重視しているのか考える。
【事後学習】テキスト『差別原論』の第5章を読む。
10 日常的な性差別という現象:ハラスメントを読み解く
【事前学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第4章を読む。
【事後学習】身近なハラスメントを考えてみる。
11 多様な生のありかたと「生きづらさ」:ゲイ・スタディーズなど男性同性愛の社会学
【事前学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第7章を読む。
【事後学習】社会の一成員として同性愛者を考え直す。
12 多様な生のありかたと「生きづらさ」:レズビアン・スタディーズなど女性同性愛の社会学
【事前学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第8章を読む。
【事後学習】女性同性愛者がなぜカムアウトしづらいのかを考えてみる。
13 「ユニークフェイス」と「見た目問題」:外見をめぐる差別
【事前学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第10章を読む。
【事後学習】「外見」の囚われている私たちの姿をさらに考える。
14 日常的差別としての被爆問題:被爆ドキュメンタリーを視聴する
【事前学習】これまで受けてきた平和教育を思い出す。
【事後学習】テキスト『排除と差別の社会学』の第13章を読む。
15 「生きる手がかり」として「差別する可能性」を考える:
【事前学習】これまでの講義内容をふりかえっておく。
【事後学習】テキスト『差別原論』の第7章を読む。
その他
教科書 好井裕明 『排除と差別の社会学[新版]』 有斐閣 2016年 第1版
好井裕明 『差別原論』 平凡社 2007年 第3版
好井裕明 『差別の現在』 平凡社 2015年 第1版
教科書は、講義中だけでなく事前学習や事後学習などでも使用します。受講生は必ず購入しておいてください。
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート(90%)、授業参画度(10%)
講義中に、講義内容の理解度や受講生各自の日常への講義内容の浸透の度合いなどを判断するために、3回課題レポート(各回2000字以上)を課します。3回のレポートを評価することで成績をつける予定です。
オフィスアワー 毎週火曜日、水曜日の12時15分~12時45分。

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