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科目名 | 卒業論文研究ゼミ2 | ||||
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教員名 | 野呂有子 | ||||
単位数 | 1 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 英文学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 必修 |
授業概要 | 『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』、ナルニア国物語第6作『魔術師のおい』、「ハリー・ポター」シリーズ第2作『ハリー・ポターと秘密の部屋』を読み、英国ファンタジー文学に対する一層の理解を深め、前期に取得した文学作品分析の基本的方法を土台としてそれを応用して自分の方法論を確立するための準備段階に入る。さらに、ここで培った理解力と文学の基礎的・応用的分析方法をもとに4年次に執筆する卒業論文への取り組みを一層容易なものとする。 |
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授業のねらい・到達目標 | (1)比較的スタンダードな難易度の語彙を用いて書かれたイギリス児童文学の古典的作品を読むことによって、文学作品を読むことの楽しさを学ぶ。 (2)テキストを精読し、基本的・応用的な文学の分析方法を取得する。 (3)(2)の作業を土台にして、学生が自分なりの方法論を確立して作品分析を行う習慣の一層の涵養をはかる。 (4)(2)および(3)の成果をもとにして、800字程度から1600字程度の文学批評リポートを執筆できる力を身に着ける。 (5)(1)から(4)の作業をもとにして、次年度に卒業論文執筆作業が一層容易にできるように基礎的・応用的な力を身に着ける。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP2,DP4,DP5,DP6及びカリキュラムポリシーCP7,CP9に対応しています。 |
授業の方法 | 学生はリポート執筆および、それに基づいた発表を二週間から三週間に一度行うことが要求される。 割り当て担当者は担当部分の音読・読解を行う。さらに、あらかじめ執筆し準備してきたリポートを授業時に皆の前で口頭で発表する。 具体的には、鑑賞作品の問題点、気づき、更に辞典などで追跡調査した内容などを、明瞭に聞き取りやすく口頭で発表する。 それに応答する形で、指導教授、およびクラスの他の受講者がそれにコメントする形式で授業を行い、一層精度の高いリポート執筆が可能になるように 添削やコメントを行う。学生は指導教授や他の受講生から寄せられたコメントを集積、分析し、その結果を改めて皆の前でフィードバックする形で発表を行う。 本授業の事前・事後学習は,合わせて1時間の学習を目安とします。 |
履修条件 | 卒業論文研究ゼミ1を取得していることが基本となる。学生の都合によっては希望に応じる場合も稀にある。 |
授業計画 | |
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1 |
第1回(第1回) オリエンテーション(自分らしい論文とは何か。そうした論文執筆の方法。そのための作品の選び方。そのための作品の読み方。そのための作品の分析方法。そのための問題点の見つけ方。) 【事前学習】三つの教材について、日本語訳を3年次の授業開始以前にすべて読んでおくこと。 授業テキストAlice’s Adventures in Wonderland Chapter 1を読んで、気づいたことをノートに纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートに纏めておくこと |
2 |
実際に作品を読んで、分析を行い、それについて400字詰め2枚程度のリポートを書く。教師が一定の作品を選び、手本を示す。翌週までの課題。 【事前学習】授業テキストAlice’s Adventures in Wonderland Chapter 1を読んで、要点をノートあるいはワードで纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
3 |
The Magician's Nephewを教材として、現実世界⇒異界⇒現実世界(⇒異界⇒現実世界)というファンタジー作品の構造を理解する。翌週までの課題。 【事前学習】授業テキストThe Magician's Nephew Chapter 1を読んで、要点をノートあるいはワードに纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
4 |
The Magician's Nephewを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。その1 漸層法(gradation) 翌週までの課題。 【事前学習】授業テキストThe Magician's Nephew Chapter2を読んで、要点をノートあるいはワードに纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
5 |
The Magician's Nephewを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その2 対照法(contrast) 【事前学習】授業テキストThe Magician's Nephew のChapter1、Chapter 2、 Chapter 3を読んで、要点をノートあるいはワードに纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
6 |
The Magician's Nephewを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その3 色彩、比喩表現、擬人法。 【事前学習】授業テキストThe Magician's Nephew のChapter1~Chapter 4を読んで、要点をノートあるいはワードに纏めておくこと 【事後学習】授業内配付物の指定個所をノートに写し、事前学習以外に学んだ内容をノートに纏めておくこと |
7 |
The Magician's Nephewを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その4 (1)ナルニアの創造と聖書の記述の関係性 【事前学習】事前配付物を読んで、指示に従って、要点をノートあるいはワードに纏めておくこと [事後学習]事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
8 |
The Magician's Nephewを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その4 (2)ナルニアの創造とジョン・ミルトン作『楽園の喪失』の記述の関係性 【事前学習】事前配付物を読んで、指示に従って、要点をノートあるいはワードに纏めておくこと [事後学習]事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
9 |
Alice’s Adventures in Wonderlandを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その1 楽園(理想の居場所とエデンの園) 【事前学習】Alice’s Adventures in Wonderlandを読んで、エデンの園を想起させる場面をノートあるいはワードに書き出し、要点を纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
10 |
Harry Potter and the Chamber of Secretsを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その2 自分と分身。 【事前学習】Harry Potter and the Chamber of Secretsを読んで、「自分と分身」について想起させる場面をノートあるいはワードに書き出し、要点を纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
11 |
Harry Potter and the Chamber of Secretsを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その3 蛇と敵対者。 【事前学習】Harry Potter and the Chamber of Secretsを読んで、「蛇と敵対者」について想起させる場面をノートあるいはワードに書き出し、要点を纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
12 |
Harry Potter and the Chamber of Secretsを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その4 主人公の精神的成長。 【事前学習】Harry Potter and the Chamber of Secretsを読んで、「主人公の精神的成長」について想起させる場面をノートあるいはワードに書き出し、要点を纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
13 |
Harry Potter and the Chamber of Secretsを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その5 象徴的存在と象徴的事件。 【事前学習】Harry Potter and the Chamber of Secretsを読んで、「象徴的存在と象徴的事件」について想起させる場面をノートあるいはワードに書き出し、要点を纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
14 |
Harry Potter and the Chamber of Secretsを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 その6 作品に潜む男女差別と人種差別。 【事前学習】Harry Potter and the Chamber of Secretsを読んで、「作品に潜む男女差別と人種差別」について想起させる場面をノートあるいはワードに書き出し、要点を纏めておくこと 【事後学習】事前学習以外に学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
15 |
Harry Potter and the Chamber of Secretsを教材として、応用的な作品分析方法について学ぶ。 『ハリー・ポターと秘密の部屋』(日本語訳書可)を読んで、一つのテーマを選んで論じる。1800字から3500字程度で書いて提出する。 【事前学習】これまでに受けた授業内容を総合的に俯瞰して、自分の最も興味をもった内容について 焦点を絞って(テーマは一つとする)執筆して、提出する。 【事後学習】事前学習以外に授業で新たに学んだ内容をノートあるいはワードに纏めておくこと |
その他 | |
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教科書 | Martin Gardner, The Annotated Alice: The Definitive Edition: Alice's Adventures in wonderland and Through the Looking Glass, Penguin;The Definitive new edition of revised edition , 2001, 決定 edition C.S. Lewis, The Magician's Nephew, 1955 J. K. Rowling, Harry Potter and the Chamber of Secrets, 1998 授業時に必ず使用するため、頁数が異なると授業の進展にも支障が出るし、学生もついていけなくなるなど問題が起こる恐れが極めて高いため、必ず指定されたテキストおよび版を使用すること。 従って、インターネットからダウンロードしたテキストを授業で使用することは禁止します。 |
参考書 | 弓書房 『『The Book od Nursery Rhymes』 (Iona & Peter Opie著 吉田新一注釈 )』 山形和美・野呂有子他共著 『『「ナルニア国年代記」読本』』 国研出版 山形和美・野呂有子他共訳 『『C.S.ルイス文学案内事典』』 彩流社 第改訂版 『不思議の国のアリス』および『鏡の国のアリス』、ナルニア国物語『魔術師のおい』、『ハリー・ポターと秘密の部屋』は必ず授業開始以前に日本語訳を通しで読了しておくこと。アリス作品に関しては訳者は問わない。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(45%)、授業参画度(55%) レポート(45%)、授業参画度(55%) つまり、発表及び質議応答、ほぼ隔週に一回提出を要求される小リポート、学期末に提出を義務付けられている小論文[原稿用紙400字づめで12枚程度]等を総合的に判断して評価します 授業参画度は、授業態度等で評価します。 |
オフィスアワー | 毎週水曜日昼休み。 |
備考 | 毎回授業には、英和辞典あるいは英英辞典を必携のこと。(電子辞書可) 事前学修としては、『不思議の国のアリス』および『鏡の国のアリス』、ナルニア国物語『魔術師のおい』、『ハリー・ポターと秘密の部屋』は必ず授業開始以前に日本語訳を通しで読了しておくこと。アリス作品に関しては訳者は問わない。また、野呂有子の研究サイト(ジョン・ミルトンを中心にして)Yuko Kanakubo Noro’s Web site with special emphasis on John Milton(http://www.milton-noro-lewis.com/database.html)には論文執筆の参考になるよう、野呂自身が過去に執筆した論文約40本を掲載してある。この中から自分の興味のあるものを前もって読んで可能な限り沢山読んで、「論文」というものに慣れ親しんでおくことが望ましい。 |