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批評研究方法論4

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科目名 批評研究方法論4
教員名 久米依子
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
学期 前期 履修区分 選択必修
授業概要 カルチュラル・スタディーズという方法理論
授業のねらい・到達目標 イギリスで1960年代に始まったカルチュラル・スタディーズは、初めは大衆文化を含む文化の研究として発達した。やがて現代社会の諸現象を分析できる人文学の先端的理論として注目されるようになる。カルチュラル・スタディーズは階級、民族、ジェンダーをはじめとする現代社会の構成要素やそこに含まれるイデオロギーを批評的に読み解き、現代社会の諸課題にアプローチできる方法と考えられるようになった。このきわめて今日的な批評方法はどのような問題意識から発展し、社会をどのように読み解こうとするのか。カルチュラル・スタディーズで分析できる現象とはどのようなものか。そして、文学への応用はどのように可能なのか。そうした問題意識を整理し、理解できるようになることを目標とする。受講者自身の実践も試みたい。
この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6,及びカリキュラムポリシーCP9,に対応しています。
授業の方法 講義形式で進める。配布プリントを読んで理解を深めるとともに、記された課題にも取り組むこと。現代を読み解く批評理論であるので、現実の事象に照らし合わせ応用することを心がけること。講義に関する授業内テストと、実践的レポートを合わせて評価する。
本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。
授業計画
1 カルチュラル・スタディーズについて、概説
【事前学習】カルチュラル・スタディーズに関する知識を確認しておく
【事後学習】単なる文化の研究ではないことを整理し、理解する
2 カルチュラル・スタディーズの発生まで
【事前学習】配布プリントを読み、批評理論の知識を確認しておく
【事後学習】批評理論の流れとカルチュラル・スタディーズの関係を整理しておく
3 イギリスの労働者階級の文化とカルチュラル・スタディーズ
【事前学習】配布プリントを読み、イギリス社会と文化の階級差について考えておく
【事後学習】階級の文化と価値判断、カルチュラル・スタディーズとの関係を整理する
4 オーディエンスとディコーディング
【事前学習】配布プリントを読み、〈受け手〉という問題を考えておく
【事後学習】ディコーデイング理論を整理しておく
5 構造主義からカルチュラル・スタディーズへ
【事前学習】配布プリントを読み、構造主義の考え方に触れる
【事後学習】構造主義への批判点をまとめておく
6 人種・民族に関する観点
【事前学習】コロニアリズムとポストコロニアリズムの問題を整理する
【事後学習】配布プリントを読み、植民地主義という問題を確認しておく
7 歴史と民族と本質主義の観点
【事前学習】配布プリントを読み、ナショナリズムについて知識を確認しておく
【事後学習】ナショナリズムと本質主義の問題を整理
8 ディアスポラとマイノリティ、エスニシティ
【事前学習】配布プリントを読み、ディアスポラという考え方を知っておく
【事後学習】マイノリティの問題を整理しておく
9 サバルタンとカルチュラル・スタディーズ
【事前学習】配布プリントを読み、サバルタンという考え方を確認する
【事後学習】サバルタンの問題提起性を理解する
10 ジェンダーとカルチュラル・スタディーズ
【事前学習】配布プリントを読み、〈女らしさ〉と〈男らしさ〉の問題を考えておく
【事後学習】ジェンダーに関する論点を整理しておく
11 クイア理論とカルチュラル・スタディーズ
【事前学習】配布プリントを読み、クイアについて知識を得る
【事後学習】クイア理論の問題提起性を理解しておく
12 文学とカルチュラル・スタディーズ(1)
【事前学習】配布プリントを読み、〈文学〉の問題点を考える
【事後学習】文学の読み替えについて整理する
13 文学とカルチュラル・スタディーズ(2)
【事前学習】配布プリントを読み、〈文学〉の問題点を考える
【事後学習】文学とイデオロギーについて整理する
14 文化現象に対するカルチュラル・スタディーズ
【事前学習】配布プリントを読み、〈文化〉の問題点を考える
【事後学習】レポートの準備をする
15 カルチュラル・スタディーズの課題をまとめる
【事前学習】レポートに関する反省点を考えておく
【事後学習】文化現象の問題点を整理しておく
その他
教科書 プリントを配布する
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 レポート(30%)、授業内テスト(50%)、授業参画度(20%)
授業参画度は、リアクションペーパー等で評価します。
オフィスアワー 水曜4限、木曜3限、7号館4階久米研究室

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