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科目名 | 歴史学2 | ||||
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教員名 | 伊藤雅之 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 総合教育科目 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業概要 | 古代ギリシア・ローマの歴史家と歴史史料を題材に、歴史研究の意義やその方法論がどのように形成され、またその中でどのような問題が発見、そして克服の試みがなされてきたかを考える。 |
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授業のねらい・到達目標 | 数点の歴史史料とその作者を取り上げ、その内容や研究手法が古代やその後の時代にどのように受け止められ、あるいはまた批判されてきたかを見ていくことで、どのようなプロセスにより史料が作成され、さらに信頼度の高い史料や情報収集・発信の方法とはどのようなものであるかについて、受講者がより多くの知見を持つことができるようにすることを目指す。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1, DP3及びカリキュラムポリシーCP2, CP6に対応しています。 |
授業の方法 | 教員の用意するレジュメを基本教材とした講義形式。ただし受講者には事前・事後の学習を求める(各2時間を目安とする)。 |
授業計画 | |
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1 |
導入(授業の方向性や、授業内で取り上げられる予定の歴史史料の性質やその作成者などについて説明する) 【事前学習】大学および自分が住んでいる地域の図書館に、どのような古代ギリシア・ローマ関連の書籍、あるいは史料の翻訳や史学史の研究書があるかをチェックしておく。 【事後学習】次回やそれ以降の授業に備え、授業内に配布したレジュメで紹介した書籍のいずれかを、特にヘロドトスの『歴史』(いくつかの日本語訳があるがどの版でもよい)の序盤を可能な限り読んでおく。 |
2 |
ヘロドトスと『歴史』(1)作品の構成とペルシア戦争 【事前学習】古代ギリシアで最初期の歴史家ヘロドトスという人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成する(どのような情報源を用いても構わないが、情報源自体は2つ以上であること)。 【事後学習】ヘロドトスは何を意図して『歴史』を著したのかについて、自分なりの説明を文章の形で行う(100字以上)。 |
3 |
ヘロドトスと『歴史』(2)ヘロドトスの情報収集・著述スタイルと古代の作家たちの批判 【事前学習】第2回の講義の終わりにおいて指定する『歴史』のいくつかの部分を中心に、可能な限り同書を読み進め、その要点を1章ごとないしはひとまとまりの事件を取り上げた複数の章ごとに、ルーズリーフ1-2頁程度にまとめる。 【事後学習】歴史作品とエンターテイメント性の関係、および史料作成者により提示されるストーリーが読者に与える影響について、自分なりの説明を文章の形で行う(字数に関する留意点も第二回講義についてのそれと同様で、これ以降の回でも同じ)。 |
4 |
トゥキュディデスと『戦史』(1)作品の構成とペロポネソス戦争 【事前学習】最初期の実証主義的歴史研究者とも評せるトゥキュディデスという人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成し、またトゥキュディデスの『戦史』(いくつかの日本語訳があるがどの版でもよい)の序盤を可能な限り読んでおく。 【事後学習】トゥキュディデスは何を意図して『戦史』を著したのかについて、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
5 |
トゥキュディデスと『戦史』(2)トゥキュディデスの情報収集・著述スタイルとその課題 【事前学習】第4回の講義の終わりにおいて指定する『戦史』のいくつかの部分を中心に、可能な限り同書を読み進め、その要点を1章ごとないしはひとまとまりの事件を取り上げた複数の章ごとに、ルーズリーフ1-2頁程度にまとめる。 【事後学習】情報を吟味した上で読者に発信するスタイルと、あえて加工せずにそのまま提示するスタイルのそれぞれのメリットとデメリットについて、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
6 |
クセノフォンと『アナバシス』他(1)作品とペロポネソス戦争後のアテナイ 【事前学習】哲学者ソクラテスの弟子にして著述家・軍人としても名高いクセノフォン(クセノポン)という人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成し、また彼の著した『アナバシス』(いくつかの日本語訳があるがどの版でもよい)の序盤を可能な限り読んでおく。 【事後学習】クセノフォンの執筆スタイルとヘロドトスおよびトゥキュディデスのそれの違いはどのような点かを考え、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
7 |
クセノフォンと『アナバシス』他(2)作品の人気と著述家としての評価 【事前学習】第6回の講義の終わりにおいて指定するクセノフォンの他の作品のいくつかの部分を中心に、取り上げる作品を可能な限り読み進め、その要点を1章ごとないしはひとまとまりの事件を取り上げた複数の章ごとに、ルーズリーフ1-2頁程度にまとめる。 【事後学習】クセノフォンの作品が非常に多くの読者を獲得した一方で、歴史史料の作者としてはしばしば低い評価が与えられている理由は何かを考え、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
8 |
ポリュビオスと『歴史』(1)作品とローマによる地中海世界における覇権獲得 【事前学習】紀元前2世紀に活動した政治家にして歴史家であるポリュビオスという人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成し、また彼の著した『歴史』(いくつかの日本語訳があるがどの版でもよい)の序盤を可能な限り読んでおく。 【事後学習】ポリュビオスは何を意図して『歴史』を著したのかについて、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
9 |
ポリュビオスと『歴史』(2)他の歴史家への批判と記述対象への好悪 【事前学習】第8回の講義の終わりにおいて指定する『歴史』のいくつかの部分を中心に同書を可能な限り読み進め、その要点を1章ごとないしはひとまとまりの事件を取り上げた複数の章ごとに、ルーズリーフ1-2頁程度にまとめる。 【事後学習】情報の発信者は伝える内容・対象への自身の気持ちと発信のあり方についてどのように折り合いを付けていくべきか、あるいはまた情報の受信者は受信の際に発信者の気持ちをどのように捉えていくべきかを考え、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
10 |
リウィウスと『ローマ建国以来の歴史』(1)作品および王政期・共和政期のローマ 【事前学習】共和政期末期から元首政期(帝政前期)を生きたローマの歴史家ティトゥス・リウィウスという人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成し、また彼の著した『ローマ建国以来の歴史』(タイトルの邦訳のあり方を含めいくつかの日本語訳があるがどの版でもよい)の序盤を可能な限り読んでおく。 【事後学習】リウィウスは何を意図して上記の作品を著したのかについて、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
11 |
リウィウスと『ローマ建国以来の歴史』(2)歴史叙述における正義・不正義あるいは歴史観 【事前学習】第10回の講義の終わりにおいて指定する『ローマ建国以来の歴史』のいくつかの部分を中心に同書を可能な限り読み進め、その要点を1章ごとないしはひとまとまりの事件を取り上げた複数の章ごとに、ルーズリーフ1-2頁程度にまとめる。 【事後学習】史料の作成者が抱く歴史の流れへ考えや倫理観をその読解の際にはどのように捉えるのが好ましいかという点について考え、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
12 |
タキトゥスと『年代記』他(1)作品および元首政期のローマ 【事前学習】元首政期ローマを生きたローマの政治家にして歴史家であるコルネリウス・タキトゥスという人物について調べ、ルーズリーフ1-2頁程度のまとめノートを作成し、また彼の著した『年代記』の序盤を可能な限り読んでおく。 【事後学習】タキトゥスは何を意図して上記の作品を著したのかについて、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
13 |
タキトゥスと『年代記』他(2)歴史叙述・研究と政治との関係 【事前学習】第12回の講義の終わりにおいて指定する『年代記』やその他の作品のいくつかの部分を中心に同書を可能な限り読み進め、その要点を1章ごとないしはひとまとまりの事件を取り上げた複数の章ごとに、ルーズリーフ1-2頁程度にまとめる。 【事後学習】執筆した内容や、筆者が問題となる事件に対しどのような立場で臨んでいるかが同時代の当局や世論から批判・弾圧の対象となる可能性がある状況と、そうした中での情報の発信・受信との関係について考え、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
14 |
碑文における記録の抹消・改竄・再構築 【事前学習】ローマにおけるダムナティオ・メモリアエ(記録の破壊)とはどのような措置であるかを調べ、ルーズリーフ1-2頁程度にまとめる。 【事後学習】記録の破壊や内容への調整が行われる一方で、そうした行為があったということがしばしば目に見える形で残された理由について、自分なりの説明を文章の形で行う。 |
15 |
総括(期末試験に備えてのこれまで取り上げた内容の復習と補足) 【事前学習】ここまでに配布した資料や自身が作成したノートを見直し、不明点があれば質問できるようにしておく。 【事後学習】配布資料とノートを見直し試験に備える。 |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 特定の書籍をここで挙げることはしないが、授業内で配布するレジュメでその日取り上げたテーマに関連した書籍などを適宜紹介することを予定している |
成績評価の方法及び基準 | 試験(100%) |
オフィスアワー | 授業終了時 |