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科目名 | 東洋史特講5 | ||||
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教員名 | 渡部良子 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 史学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業概要 | 文書から読む西アジア・イスラーム史 歴史研究の重要な史料の一つが,公文書,私文書,書簡などの文書である。文書はただその内容が伝える歴史情報のみならず,その形式,作成方法に文書が作られた社会の制度・文化を反映している。本講義は,イスラーム期西アジア史研究における文書研究の基礎を学びながら,西アジア・イスラーム社会の文書からどのような歴史を読み解くことができるか,ペルシア語による文書が発達したイラン高原の世界に焦点を当てて学んでいく。 |
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授業のねらい・到達目標 | イスラーム期西アジア史を文書研究の視点から学ぶとともに,歴史研究において大きな意味を持つ文書史料について理解と考察を深めることができる。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 |
授業の方法 | 講義形式で進めるが,毎回配布する文書史料,また補足配布資料により西アジア史の文書史料・文書研究について受講者各自の関心に即した学びを深めてもらう。 本授業の事前・事後学習は合わせて1時間の学習を目安とする。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス:イスラーム期西アジア史研究における文書史料 【事前学習】シラバスを読んでくる 【事後学習】ガイダンスで示した文書研究の基礎知識・用語について,配布資料で理解を確認し,以後の授業に備える |
2 |
イスラーム以前の西アジアにおける文書:古代オリエントから古代末期(東ローマ帝国・サーサーン朝)へ 【事前学習】事前配布資料でイスラーム以前の西アジア史に関する基礎知識をつかみ,授業に備える 【事後学習】古代〜古代末期の西アジアの文書史料について,授業の配布資料で復習する |
3 |
イスラーム成立:預言者ムハンマド時代のアラビア語と聖典クルアーン(7世紀) 【事前学習】事前配布資料でイスラーム成立期の歴史を把握しておく 【事後学習】聖典クルアーンとアラビア語について,授業資料・補足資料でさらに理解を深める |
4 |
イスラーム文化の発展とアラビア語書記言語の発達:ウマイヤ朝〜アッバース朝(7世紀〜10世紀) 【事前学習】事前配布資料でアッバース朝下のイスラーム文化発展の歴史を概観しておく 【事後学習】アラビア語で形成されたイスラーム諸学の体系について授業資料で復習し,以後の授業に備える |
5 |
行政文書:ディーワーン(政庁)と文書行政技術の発展 【事前学習】事前配布資料で,イスラーム王朝の行政組織についての基礎知識を身につけておく 【事後学習】アラビア語書記術指南書,文書史料について,授業資料・補足資料でさらに理解を深める |
6 |
法文書:イスラーム法行政と文書の役割 【事前学習】事前配布資料で,イスラーム法と司法制度の基礎知識を身につけておく 【事後学習】様々なイスラーム法廷文書とその役割について,授業資料・補足資料を通しよく理解する |
7 |
アラビア語・文字文化の伝播と多様化:近世ペルシア語の登場とペルシア語文書行政の開始(9〜10世紀) 【事前学習】事前配布資料で,10世紀までのイラン高原の歴史の展開について基礎知識を身につけておく 【事後学習】ペルシア語文化の歴史について,補足資料を用いさらに学ぶ |
8 |
第1回〜第7回の理解度確認テストと解説 【事前学習】第1回〜第7回の授業内容を復習しておく 【事後学習】テスト解説をもとに自分の理解度を確認する |
9 |
テュルク系王朝の覇権とペルシア語文書行政の発展:セルジューク朝〜ホラズムシャー朝(11〜13世紀) 【事前学習】事前配布資料で,西アジアにおけるテュルク系王朝の歴史についての基礎知識を身につけておく 【事後学習】ペルシア語書記術史料について,授業資料・補足資料でよく理解する |
10 |
モンゴル帝国期の変化:モンゴル文書行政のペルシア語文書への影響(13〜14世紀) 【事前学習】事前配布資料でモンゴル帝国時代西アジア史についての基礎知識を身につけておく 【事後学習】モンゴル支配期にペルシア語文書様式に生じた変化について授業資料でよく理解する |
11 |
ペルシア語文書の世界(1):書簡の儀礼が示す社会秩序 【事前学習】事前配布資料を読んでおく 【事後学習】書簡のやり取りのルールが持つ重要性について,補足資料も用い理解する。 |
12 |
ペルシア語文書の世界(2):勅令文書の様式 【事前学習】事前配布資料を読んでおく 【事後学習】ペルシア語勅令文書様式とその歴史的変遷について,授業資料・補足資料でよく理解する。 |
13 |
ペルシア語文書の世界(3):外交書簡が示す政治的駆け引き 【事前学習】事前配布資料を読んでおく 【事後学習】書簡の儀礼が実際に外交通信でどのように用いられたか,第11回授業内容も振り返り理解する。 |
14 |
ペルシア語文書の世界(4):イスラーム法文書が示す社会の営み〜ワクフ(寄進)文書の世界 【事前学習】事前配布資料を読んでおく 【事後学習】第6回で学んだ法文書の一類型・ワクフ(寄進)文書の歴史研究における重要性を補足資料も用いよく理解する。 |
15 |
第9回〜第14回の理解度確認テストと解説 【事前学習】第9回~第14回の講義内容をよく復習しておく 【事後学習】テストの解説、最後に配布する「今後の研究資料」を読み、講義全体から得た知識を自身の研究に活かしていく。 |
その他 | |
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教科書 | 使用しない |
参考書 | 各回で関連する参考文献を紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | 授業内テスト(70%)、授業参画度(30%) 授業内テストは,第8回,第15回に行う(各回35点)。 授業参画度は,毎回提出するコメントシート(授業内テストの回は除く)で評価する(30点)。 |
オフィスアワー | 授業後の第4限の時間に質問を受けつける。 |