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科目名 | 東洋史特講7 | ||||
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教員名 | 山口元樹 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 史学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業概要 | 前近代海域東南アジア史とイスラーム |
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授業のねらい・到達目標 | 本講義が扱う海域東南アジアとは、現在のインドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイを中心とした地域です。この地域はイスラーム世界の周縁部に位置しながら、現在では非常に多くのムスリム(イスラーム教徒)の人口を抱えています。東南アジアにおけるイスラームの信仰はしばしば表層的なものとみなされがちです。しかし、この宗教が社会の中で無視できない役割を果たしてきたという事実を見過ごすべきではありません。 本講義では、海域東南アジアの歴史についてイスラームの受容と発展を軸に解説していきます。ここでは特にイスラーム世界の中心である中東アラブ地域との関係に着目します。海域東南アジアの住民によるイスラームの受容が始まる以前の中東アラブ地域からのムスリム商人の来航から始め、欧米列強による植民地化が進む18世紀までを対象とします。 我々は、イスラームについて中東やアラブの宗教としてしばしば一面的に捉えがちです。本講義は、海域東南アジアにおけるイスラームの歴史とともに、イスラーム世界における多様性について説明できるようになることを目標とします。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 |
授業の方法 | 当日に配布するプリントを利用しながら、基本的に講義形式をとります。毎回授業内でコメントペーパーを配り、質問や感想を書いてもらいます。そこで出された質問に関しては授業の中で適宜答えていきます。第14回の授業では試験とその解説をおこなう予定です。また、理解度を確認するために小テストをおこないます。その際には事前に告知をします。なお、受講者の人数と理解度に応じて、授業計画を変更することがあります。本講義の事前・事後学修は各2時間を目安とします。 |
履修条件 | 履修条件は特にありません。東南アジアやイスラームに関心のある人は専門を問いません。 |
授業計画 | |
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1 |
◆ガイダンス 講義の概要、進め方、評価の基準について説明します。また、授業の予備知識として、イスラームと現在の東南アジア諸国についての基礎的な知識を学びます。 〈事前学修〉東南アジアとイスラームについてどのような知識・イメージがあるのか考えておいてください。 〈事後学修〉配布資料を復習してください。 |
2 |
◆現在の東南アジアにおけるイスラーム 現在の東南アジア諸国におけるイスラームの広まりについて概観します。 〈事前学修〉前回の配布物を見直しておいてください。 〈事後学修〉配布資料を復習してください。 |
3 |
◆イスラームの勃興と海域東南アジア① イスラームの勃興とインド洋海上交易の活性化について解説します。 〈事前学修〉イスラームの成立からアッバース朝までの歴史について調べておいてください。 〈事後学修〉配布資料を復習してください。 |
4 |
◆イスラームの勃興と海域東南アジア② 西アジア(アラブ、ペルシア)のムスリム商人による東南アジアでの活動について解説します。 〈事前学修〉イスラームと商業について調べておいてください。 〈事後学修〉配布資料を復習してください。 |
5 |
◆海域東南アジアにおけるイスラームの受容① 13世紀頃に始まる東南アジアのイスラーム化の過程について説明していきます。 〈事前学修〉これまでの配布物とノートを見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
6 |
◆海域東南アジアにおけるイスラームの受容② 東南アジアの住民の間でイスラームへの改宗が起こった要因について考察します。 〈事前学修〉スーフィズム(イスラーム神秘主義)について調べておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
7 |
◆マレー世界の形成と発展① 15世紀から16世紀初めにかけてのマラッカの発展とマレー世界の形成について説明します。 〈事前学修〉前回、前々回の配布物とノートを見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
8 |
◆マレー世界の形成と発展② 1511年にマラッカがポルトガルに占領されたのちのマレー世界の発展について説明します。 〈事前学修〉前回の配布物とノートを見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
9 |
◆ジャワの九聖人(ワリ・ソンゴ) 九聖人を事例としてジャワにおけるイスラームの受容の仕方について考察します。 〈事前学修〉東南アジアのイスラーム化の要因の説明を見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
10 |
◆タイのシーア派 アユタヤ朝タイにおけるシーア派コミュニティの活動について解説します。 〈事前学修〉シーア派について調べておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
11 |
◆ウラマーと中東アラブ地域とのネットワーク① 17から18世紀を中心に海域東南アジアと中東アラブ地域の間で形成されていたウラマー(イスラーム知識人)のネットワークについて説明します。 〈事前学修〉ウラマーについて調べておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
12 |
◆ウラマーと中東アラブ地域とのネットワーク② 上記のネットワークを介して中東アラブ地域から海域東南アジアにもたらされた宗教的影響について解説します。 〈事前学修〉前回のノートを見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
13 |
◆植民地支配と抵抗運動 欧米列強による東南アジアでの植民地支配の進展と現地社会による抵抗運動について解説します。 〈事前学修〉欧米列強によるアジア・アフリカの植民地支配について調べておくようにしてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
14 |
◆授業内試験と解説 テストをおこないます。 〈事前学修〉これまでの配布資料を読み、復習をしておいてください。 〈事後学修〉テストの内容を復習してください。 |
15 |
◆本講義のまとめ これまでの復習・解説をおこない授業の理解を深めます。 〈事前学修〉これまでの配布資料を読み、復習をしておいてください。 〈事後学修〉東南アジアとイスラームについてこの講義をとおしてどのような知識と理解が得られたのか考えてください。 |
その他 | |
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教科書 | プリントを配布します。 |
参考書 | 池端雪浦編 『『東南アジア史Ⅱ 島嶼部』 (新版世界各国史6)』 山川出版社 1999年 そのほかの参考図書については授業内で適宜紹介していきます。 |
成績評価の方法及び基準 | 試験(50%)、授業内テスト(10%)、授業参画度(40%) 授業参画度は、授業態度、コメントペーパーの内容(授業内容を理解した質問がなされているか)から判断します。授業内テスト(小テスト)は基本的な知識の確認のために二度行う予定です。 |
オフィスアワー | 質問等は授業終了時に受け付けます。 |
備考 | 〈事前学修〉 参考図書などを読み、東南アジアの歴史に関する知識を蓄えておいてください。 〈事後学修〉 配布資料や参考図書を読み、授業の内容を復習してください。 |