文理学部シラバスTOP > 文理学部 > 哲学科 > 哲学演習5
日本大学ロゴ

哲学演習5

このページを印刷する

科目名 哲学演習5
教員名 笠松幸一
単位数    1 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業概要 プラグマティズムの創始者、パース(C.S.Peirce)のプラグマティズムについて、以下の三点に注目しつつ授業を進める。
(1)近代合理主義哲学の確立者デカルトの「方法的懐疑」に対する批判、(2)疑念と信念(―行動との関係において―)、(3)信念の固定化の方法としての「科学の方法」。
授業のねらい・到達目標 移民・多文化の国アメリカの哲学思想の創始者、パースのプラグマティズムを(A)行動(実験)主義、(B)問題解決主義、(C)可謬主義、の哲学として理解する。

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP7,CP9に対応しています。
授業の方法 パースの著述(一部)をプリント(英文または和文)にて配布し、プラグマティズムにおける重要な概念・思想について説明する。受講生には、その概念・思想を具体的に理解するために、コメント、ディスカッションが求められる。また発表およびレポート提出が求められる。
本授業の事前・事後学習は、合わせて1時間を目安とします。
履修条件 なし。
授業計画
1 【事前学習】シラバスを理解する。
本演習における授業の進め方および評価について。プラグマティズムとはいかなる哲学・思想なのか。
2 【事前学習】資料A「独立宣言」を読んでおくこと。
アメリカの独立宣言(平等、生命、自由、幸福の追求)、哲学の独立宣言としてのプラグマティズム。
【事後学習】資料A「独立宣言」の起草者ジェファーソンを理解する。
3 【事前学習】プラグマティズム(pragmatism)の語義・意味を各種の事典、辞書、文献に調べて把握する。
パースの生涯・主要著作(プラグマティズム、科学方法論、記号論など)。
4 【事前学習】デカルトの「二元論」とはいかなる意味の原理なのか、調べておくこと。
反デカルト主義:デカルトの「方法的懐疑」に対する批判および二元論に対する批判。
5 「行動」の哲学:疑念と信念、思考と行動、行動(実験)的証明(問題解決)、信念の固定化。
【事後学習〕社会環境と自然環境に対する問題解決行動を理解する。
6 【事前学習】資料B「パースの'信念の固定'」を理解すること。
「信念の固め方」の方法:先験的方法(デカルトの理性的直観)から「科学の方法」へ。
7 【事前学習】資料C「私たちの観念を明晰にする方法」を理解すること。
「観念(概念)の明晰化」の方法および実例。
【事後学習】課題レポートの作成(次週提出)。
8 【事前学習】資料D「1.パースの'プラグマティズムの規則(格率)'」を熟読すること。
プラグマティズムの規則(格率)の意味。
9 【事前学習】資料D「2.思考の働き(疑念から信念に至ること)」を熟読すること。
探究の方法:プラグマティズムの規則(格率)の適用、概念と行動の関係、信念(意見の一致)の形成。
10 【事前学習】資料E「ジェイムズの'プラグマティズムの規則(格率)'」を熟読すること。
「プラグマティズムの規則」に対するジェイムズの理解(あるいは誤解)。パースとジェイムズの対立。
11 科学的経験としてのプラグマティズム(パース)VS.宗教的経験としてのプラグマティズム(ジェイムズ)。
【事後学習】パースにおける行動の「結果」と問題解決を理解する。
12 【事前学習】配布されたプリントおよび資料の全てを読んでおくこと(授業に持参すること)。
パースの「科学者共同体」における科学的経験主義(行動〔実験〕、問題解決、信念〔知識〕、可謬性)。
13 学習内容の整理。
14 パース・プラグマティズムの継承・発展(J.デューイ、R.ローティなど)
15 パース・プラグマティズムの研究―近年の日本とアメリカに注目して―
その他
教科書 なし。
参考書 魚津郁夫著 『プラグマティズムの思想 (ちくま学芸文庫)』 筑摩書房 2006年 第1版
成績評価の方法及び基準 レポート(30%)、授業内テスト(40%)、授業参画度(30%)
授業参画度は、毎回配布されるプリント(和文または英文)および資料(適宜配布)の要旨についての理解・コメント・ディスカッションの適切性等で評価します。
授業内テストは、提出レポートと合わせて評価します。
オフィスアワー 本演習の開始前および終了後、演習の教室において。

このページのトップ