検索したい科目/教員名/キーワードを入力し「検索開始」ボタンをクリックしてください。
※教員名では姓と名の間に1文字スペースを入れて、検索してください。
科目名 平成28年度以後入学者 |
英米文学特殊講義3 | ||||
---|---|---|---|---|---|
教員名 | 野呂 有子 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 英文学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業テーマ | 現代英語の基となる三本の柱は、William Shakespeare、『欽定英語訳聖書』そして、17 世紀英国の国民的叙事詩人John Milton だと言われている。そして、ミルトンの執筆したParadise Lostは、欧米文学理解のための必読の書とである。本講義では、特に重要だと考えられる箇所を適宜選んで精読・音読して、その意義、文学的技巧、英語の音韻的美しさ、後代への影響などを考察する。上記の到達目標達成のため、受講学生には作品の音読、『オクスフォード英語辞典』を使用した語の検索と意味理解、『欽定英語訳聖書』をはじめとする英語訳聖書との比較・考察を通じて、これらの英語訳聖書の語彙と語法、そしてイメージと概念が具体的にどのようにParadise Lostという作品の構成要素となっているかを理解する。さらに、その成果としては、将来、英語教師として教壇に立った際に、学習者を楽しませつつ、英文学の世界に案内し、内容理解を通じて、学習者が英米の人々の精神風土に触れ、国際理解を深め、その国際交流を促進する一助とすることが可能になるよう授業を展開する。本講義ではParadise Lost第7巻に特化して授業を進める。 |
---|---|
授業のねらい・到達目標 | (1)英米の辞典の内で、最大にして最も権威ある『オクスフォード英語辞典』(全20巻)の基本的な活用法を取得し、それを活用して、John Milton 作 Paradise Lost (1667;邦題『楽園の喪失』)の一部を読解することができる。 (2)『欽定英語訳聖書』と他の英語訳聖書を比較・参照しながら、Paradise Lostに出現する基本的な英語の語法について理解し、説明することができる。 (3) Paradise Lost に出現する基本的な文学的手法、概念、イメージを理解し、現代の英米文学作品や映画においてそれらが具体的にどのようにして継承され、発展しているか、簡単に説明することができる。 (4)Paradise Lost を音韻的に構成するブランクバース(弱強五歩脚)のリズムに注意しながら作品を正確な発音と抑揚で音読することによって、英語発話の基本となるリズムと抑揚を取得することができる。 (5)(1)~(4)で取得した知識と技能を運用して、中学校・高等学校における英語の授業で教鞭を取る際に、学習者が正確な発音、リズム、抑揚を身につけるよう配慮しながら指導するとともに、文学の楽しさ、辞書の活用法、英語の語法に親しませる技能を取得することができる。 |
授業の方法 | 講義形式、学生の発表形式、discussion形式を適宜、取り入れて行う。 映像資料や美術的資料、音楽的資料も適宜、採用する。 |
履修条件 | 特になし。 |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | (1)受講院生は事前に担当個所を自分たちで能動的・自主的にParadise Lost 第7巻の担当個所を分担し、The Oxford English Dictionaryに出現する英語語彙についてまとめた文書を予め作成し、授業で配付し、内容について的確・明確に説明できるようにしておくこと。 (2)あらかじめ担当個所の日本語訳を作成し、授業で配付し、内容および文法構造について的確・明確に説明できるようにしておくこと。 (3)学生の発表、授業における教師の釈義、院生間のdiscussion、質疑応答を通じて浮かび上がった問題点について、更なるリサーチを行い、論文執筆の萌芽的研究へと繋げるよう文書を作成し、提出する。また、野呂有子の研究サイト(ジョン・ミルトンを中心にして)Yuko Kanakubo Noro’s Web site with special emphasis on John Milton(http://www.milton-noro-lewis.com/database.html)には論文執筆の参考になるよう、野呂自身が過去に執筆した論文約40本を掲載してある。この中から自分の興味のあるものを漸次、読み進めて、可能な限り多くを読んで、「論文」というものに慣れ親しむことを義務づけておく。 |
授業計画 | |
---|---|
1 | オリエンテーション(授業の進め方、受け方、テーマや到達目標および授業の方法について説明する) |
2 | 作者 John Miltonと当時の文学作品の関係について |
3 | 叙事詩 Paradise Lost の概要(物語の内容、時代背景、精神風土)と第7巻の関係 |
4 | Paradise Lost 第7巻と『オクスフォード英語辞典』の使い方 |
5 | Paradise Lost 第7巻と『オクスフォード英語辞典』の活用法 |
6 | Paradise Lost 第7巻と『欽定英語訳聖書』の概要(政治的・宗教的出版背景) |
7 | Paradise Lost 第7巻と『欽定英語訳聖書』以外の英語訳聖書の紹介と説明 |
8 | Paradise Lost 第7巻と『楽園の喪失』の言語的要素 |
9 | Paradise Lost 第7巻と『楽園の喪失』の語法的要素 |
10 | Paradise Lost 第7巻と『楽園の喪失』の音声的要素 |
11 | Paradise Lost 第7巻と『楽園の喪失』における文学的要素 |
12 | Paradise Lost 第7巻と『楽園の喪失』における宗教的要素 |
13 | Paradise Lost 第7巻と『楽園の喪失』における政治的要素 |
14 | Paradise Lost 第7巻と『楽園の喪失』の主要登場人物(神、アダムとイヴ) |
15 | Paradise Lost 第7巻の総合的まとめ。Paradise Lost 第7巻に関するリポート提出。英語で3000 wordsとする。 |
その他 | |
---|---|
教科書 | Ed. Alastair Fowler. , John Milton: Paradise Lost. , London: Longman, 2nd edition |
参考書 | The Oxford English Dictionary (全20巻) , Oxford UP, 2nd edition The Holy Bible : Authorized King James Version 新井明訳 『『ジョン・ミルトン 楽園の喪失』』 大修館書店 新井明・野呂有子共編著 『摂理をしるべとして』 リーベル出版 2002年 野呂有子 『詩篇翻訳から『楽園の喪失』へ:出エジプトの主題を中心として』 冨山房インターナショナル 2015年 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(50%)、授業参画度(50%) (1)発表内容の質の高さ、発表態度および発表準備にかけるエネルギーと時間について評価する (2)授業時の教師からの問いかけに対する応答、学生からの自主的な問題提起、および、学生同士の質疑応答の質および参加意識の高さを評価する (3)提出リポートを加筆修正の上、年度末に一度発行される、『英語英文学論叢』(日本大学文学研究科大学院英文学専攻)に投稿することが推奨される。 |
オフィスアワー | 毎週水曜日昼休み。及び、院生の必要に応じて適宜(要予約)。 |
備考 | 出席学生は毎回、英和辞典および英々辞典を必携のこと。(電子辞書可) |