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芸術社会学

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科目名
平成28年度以降入学者
芸術社会学
教員名 後藤 範章
単位数    2 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 社会学科
学期 後期 履修区分 選択
授業テーマ 「アート・ワールド」の社会学的探求
授業のねらい・到達目標 アーティストやアート作品を取り巻く人々で成り立つ「アート・ワールド」(H.ベッカー)で繰り広げられる多種多様で幅広いアートシーン及びアクター間の相互行為のプロセスを丹念に跡づけながら、アートと社会との関係を探求します。また、近年注目を集めるようになっているArts-Based Research(ABR)/Arts-Based Sociology(ABS)の可能性についても検討します。アート作品、アートの実践と発表に関わる人々(聴衆を含む)、アート関連の組織や施設・制度などを可視化するために、ありとあらゆる素材をプロジェクターで映し出し、学生-教員間及び学生間の双方向・多方向のやり取りを重ねながら展開することになります。その際には、少人数のグループを編成してそこで議論してもらった上で、教室全体での議論に移るようにします。グループでの議論にあたっては、教員とGSAが教室を巡回して、議論を活性化させる働きかけも行うつもりです。
授業の方法 映像資料を映し出しながらの講義と問いかけ→小グループでの議論→教室全体での議論→まとめという流れで授業を展開させていきます。
事前学修・事後学修,授業計画コメント 【事前学修】掲げられているテーマに関して幅広く情報収集し、自分なりに考えを巡らせておくこと。
【事後学修】授業内容を振り返り、理解が及んでいないことを補うこと。
【授業計画コメント】前期に同じ曜日・時限に開講する「ビジュアル社会学(映像社会学)」(後藤担当)は、本講と相互に関連性を有するので、シラバスを参照して興味関心を抱いた人はこちらの科目もぜひどうぞ。
授業計画
1 ガイダンス:アートとは何か、授業の構成と進め方、課題レポート、成績評価の仕方などについて
【文献】1)ハワード・S・ベッカー(後藤将之訳)『アート・ワールド』慶應義塾大学出版会(2016年)、2)北田暁大・神野慎吾・竹田恵子編『社会の芸術/芸術という社会:社会とアートの関係、その再創造に向けて』フィルムアート(2016年)
2 西洋絵画の社会学:「読む」絵画から社会を読み解く
【文献】若桑みどり『絵画を読む:イコノロジー入門』NHKブックス(1993年)
3 抽象芸術の社会学:抽象への感応力/社会の中の抽象
【文献】大岡信『抽象絵画への招待』岩波新書(2006年)
4 浮世絵の社会学:浮世絵から社会と文化を読む
【文献】浅野秀剛『浮世絵細見』講談社選書メチエ(2017年)
5 春画の社会学:世界と日本のエロティック・アート
【文献】1)田中優子『春画のからくり』ちくま文庫(2009年)、2)大英博物館(矢野明子ほか訳)『春画』小学館(2015年)‎
6 クラシック音楽の社会学:コンサートとホールと交響楽団
【文献】1)渡辺裕『聴衆の誕生:ポスト・モダン時代の音楽文化』中公文庫(2012年)、2)『東京人』2017年10月号(特集:クラシック音楽都市? 東京)
7 ロック音楽の社会学:ロックの魂とフェスティバル
【文献】永井純一『ロックフェスの社会学:個人化社会における祝祭をめぐって』ミネルヴァ書房 (2016年)
8 ストリート・アートの社会学:キャンバスとしての渋谷
【教材】YouTube動画「反原発をアートで訴える『281 Anti nuke』- Political Artist 281_Anti nuke」
9 ボディ・アートの社会学:タトゥの世界
【教材】YouTube「和彫師 三代目彫よし - LIFE with SHISEI」
10 アート・イベントの社会学:大地の芸術祭と地域の活性化
【文献】1)北川フラム『美術は地域をひらく:大地の芸術祭10の思想』現代企画室(2014年)、2)北川フラム『ひらく美術:地域と人間のつながりを取り戻す』ちくま新書(2015年)、3)熊倉純子監修『アートプロジェクト芸術と共創する社会』水曜社(2014年)
11 舞台芸術(パフォーミング・アート)の社会学:演劇の芸術性と社会性
【文献】佐藤郁哉『現代演劇のフィールドワーク:芸術生産の文化社会学』東京大学出版会(1999年)
12 文学の社会学:小説と社会学理論
【文献】1)作田啓一『個人主義の運命:近代小説と社会学』岩波新書(1981年)、2)上野千鶴子『上野千鶴子が文学を社会学する』朝日文庫(2003年)
13 写真の社会学:写真は社会を映し出す
【文献】1)ヴォルター・ベンヤミン著・久保哲司編訳『図説 写真小史』ちくま学芸文庫(1998年)、2)伊藤俊治『20世紀写真史』ちくま学芸文庫(1992年)、3)『東京 都市の視線』東京都写真美術館(1990年)、4)飯沢耕太郎監修『カラー版 世界写真史』美術出版社(2004年)、ほか
14 工芸品の社会学:伝統工芸品職人(クラフトマン)はアーティストか?
第2回目から第13回目までの講義内容についての質疑応答
15 前半:授業内試験(30分)、後半:試験の解説・授業の総まとめと課題レポートの回収
その他
参考書 吉澤弥生 『芸術は社会を変えるか—文化生産の社会学からの接近ー』 青弓社 2011年
成績評価の方法及び基準 レポート(30%)、授業内テスト(50%)、授業貢献度(20%)
授業内で行う確認テストとレポートの成績を基に、授業参画度(授業での発言やリアクションペーパーなど)を加味して評価します。これらの得点(100点満点の素点)に加算する「特別加算レポート」を課すことがあります。
オフィスアワー 毎週水曜日の午後6時以降、毎週木曜日の昼休み及び午後5時半以降。本館4階の後藤研究室。なお、可能な限り、メールで事前に予約を取るように心がけてください。メールアドレスは、第1回の授業時にお知らせします。

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