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哲学特殊講義3

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科目名 哲学特殊講義3
教員名 三平 正明
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業テーマ 言葉の意味とは何か
授業のねらい・到達目標 人と話したり本を読んだりする際、しばしば、知らない言葉に出くわします。そういうときはどうするでしょうか。もちろん、辞書を調べたり、人に尋ねたりして、言葉の意味を把握し、その使い方を身につけることになります。実際、私たちは幼い頃から、「言葉の意味を調べて学ぶ」という経験を積み重ねてきました。しかし、あれこれの特定の言葉の意味ではなく、そもそも言語表現の意味とは何かと聞かれたら、どうしたらよいでしょうか。これは難題です。たしかに、「意味」という言葉の意味を辞書で調べればよい、という方針も考えられなくはないのですが、実際には、調べてみても説明が短すぎたり、循環的であったりしてほとんど役に立ちません。これは、辞書を調べて解決するという問題ではなく、むしろ、あれこれの言葉の意味を与える辞書とは何か、という問題でもあるからです。そもそも言葉の意味とは何かというこの問題こそ、言語哲学の中心問題ですが、それに取り組むことが講義のねらいです。具体的な到達目標は、次の二点です。
(1) 真理条件を通じて意味を捉えようとするアプローチを知る。
(2) 指示と量化、時制と様相、命題的態度といった、言語哲学の主要な概念と問題について基本的な理解を得る。(これらの問題は言語哲学、言語学、論理学、形而上学、心の哲学などが交差する領域でもあります。)
授業の方法 基本は講義形式。ポートナーの著書『意味ってなに?』を中心に、補足資料を加えながら授業を行います。ポートナーは言語学者であり、この本は形式意味論という分野の入門書ですが、そもそもこの分野を生み出したのは、フレーゲを始めとした哲学者たちの仕事でした。そのため、ポートナーの本は形式意味論の入門書ですが、同時にすぐれた言語哲学の入門書にもなっています。授業ではこの本に沿って、意味と真理条件、合成性、指示表現と量化子、時制・アスペクト・様相、命題的態度などの重要事項を考察していきます。
履修条件 なし
事前学修・事後学修,授業計画コメント 授業の進展に応じて、配布した資料を事前に読んでおいてください。また、重要事項については小課題を出しますので、問題ごとの復習も大切です。授業計画は暫定的です。扱えない問題が出たら、「哲学特殊講義4」でそれを取り上げる予定です。
授業計画
1 導入:意味とは何かという問題
2 意味はどこにあるか
[準備]プリントの「意味のありか」の部分を読んでおくこと
3 文の意味と真理条件
[準備]プリントの「意味と真理条件」の部分を読んでおくこと
4 名前と述語
[準備]プリントの「名前と述語」の部分を読んでおくこと
5 構成性
[準備]プリントの「構成(合成)原理」の部分を読んでおくこと
6 いろいろな述語
[準備]プリントの「いろいろな述語」の部分を読んでおくこと
7 属性のモデル化
[準備]プリントの「属性のモデル化」の部分を読んでおくこと
8 修飾:形容詞
[準備]プリントの「修飾語」の部分を読んでおくこと
9 修飾:副詞
[準備]プリントの「修飾語」の部分を読んでおくこと
10 指示表現の多様性:フレーゲの理論
[準備]プリントの「フレーゲの理論」の部分を読んでおくこと
11 指示表現の多様性:ラッセルの理論
[準備]プリントの「ラッセルの理論」の部分を読んでおくこと
12 直接指示としての名前
[準備]プリントの「直接指示としての名前」の部分を読んでおくこと
13 授業内試験と解説
[準備]これまでの配布プリントの要点を確認しておくこと
14 第10回目から第12回目までの講義内容について質疑応答を行う
15 指示読みと帰属読みをめぐって
[準備]プリントの「ドネランとクリプキの議論」の部分を読んでおくこと
その他
教科書 なし。プリントや資料を配布します。
参考書 ポール・ポートナー(片岡訳) 『意味ってなに?』 勁草書房 2015年
飯田隆 『言語哲学大全1 論理と言語』 勁草書房 1987年
松阪陽一(編訳) 『言語哲学重要論文集』 春秋社 2013年
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(50%)、授業参画度(50%)
オフィスアワー 授業終了時。または、sanpei★chs.nihon-u.ac.jpに(★を@に変換して)メールしてください。火、木、金にもらえれば早く対応できます。

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