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科目名 | 美学演習7 | ||||
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教員名 | 高橋 陽一郎 | ||||
単位数 | 1 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業テーマ | 日本美学と西洋美学の比較思想的研究:観阿弥・世阿弥『風姿花伝(花伝書)』の講読 |
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授業のねらい・到達目標 | 西洋美学の知識をヒントにしながら『風姿花伝』を読むことで、「東西」と「古今」という二通りの隔たりのなかにある美学・藝術の思想の互換可能性について考えることがこの演習の第一のねらいである。 「初心を忘るべからず」や「秘すれば花」の言葉で有名な『風姿花伝』は、単に能の理論書というに止まらず、日本を代表する藝術思想の書、さらには人生の書としても読むことが可能である。能の大成者世阿弥が父観阿弥の思想を書きとめたものと言われている。この書のなかに現れる「花」、「幽玄」、「ものまね」、「風情」などの理念を、西洋美学思想の比較のもとに理解してゆくことが本演習で試みられる。この授業を通じ最終的には、グローバル化した現代において「日本の古典的思想がどのような世界的意味を持ちうるか」という問題を考えるきっかけが得られるものと思う。 |
授業の方法 | 演習形式。毎回、次回の当番を決め、翌週にテキストの内容を発表してもらうというタイプの輪読形式で授業を進めてゆく。 |
履修条件 | なし |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | 次回の当番以外事前学修はとくに必要ないが、テキストが古典語であり、内容もすぐに理解できるとは限らないので、毎回復習することが求められる。 |
授業計画 | |
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1 |
『風姿花伝』と観阿弥・世阿弥についての講義 [準備]なし |
2 |
『風姿花伝』の序文と「年来稽古條々」より「七歳」 [準備]第一回で配布したプリント「『風姿花伝』と観阿弥・世阿弥」を復習すること |
3 |
『風姿花伝第一』「年来稽古條々」より「十二、三より」と「十七、八より」 [準備]第二回講読箇所の復習 |
4 |
『風姿花伝第一』「年来稽古條々」より「二十四、五」と「三十四、五」 [準備]第三回講読箇所の復習 |
5 |
『風姿花伝第一』「年来稽古條々」より「四十四、五」と「五十有余」 [準備]第四回講読箇所の復習 |
6 |
『風姿花伝第二』「物真似條々」より「女」と「老人」と「直面」、アリストテレスの『詩学』 [準備]第五回講読箇所の復習 |
7 |
『風姿花伝第二』「物真似條々」より「物狂」と「法師」、アリストテレス『詩学』 [準備]第六回で学んだアリストテレス『詩学』における「模倣論」の復習 |
8 |
『風姿花伝第二』「物真似條々」より「修羅」と「神」と「鬼」、アリストテレス『詩学』 [準備]第七回で学んだアリストテレス『詩学』における「悲劇論」の復習 |
9 |
『風姿花伝第二』「物真似條々」より「唐事」、アリストテレス『詩学』 [準備]第八回で学んだアリストテレス『詩学』における「詩人論」の復習 |
10 |
これまでの授業内容のまとめ:西洋の「模倣」論と『風姿花伝』の「物まね」論、藝術と人生について [準備]第九回で学んだアリストテレス『詩学』における「美」論の復習 |
11 |
『風姿花伝第三』「問答條々」:申楽と演劇 [準備]なし |
12 |
『風姿花伝第三』「問答條々」:「序破急」と西洋の音楽形式論 [準備]第十一回で学んだ西洋の演劇論についての復習 |
13 |
『風姿花伝第三』「問答條々」:「上手」「下手」「見所」などについて [準備]第十二回で学んだ西洋の音楽形式論についての復習 |
14 |
『風姿花伝第三』「問答條々」:「花」とは何か、「幽玄」とは何か [準備]第十三回で学んだ西洋の批評論についての復習 |
15 |
まとめ:『風姿花伝』「第三」までの暫定的結論 [準備]『風姿花伝第三』「問答條々」を「花」や「幽玄」の理念に留意しながら通読すること |
その他 | |
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教科書 | 世阿弥(野上豊一郎・西尾実校訂) 『風姿花伝 (岩波文庫)』 岩波書店 |
参考書 | 参考書については授業中に適宜指示する。 |
成績評価の方法及び基準 | 授業参画度(50%)、発表(50%) |
オフィスアワー | 授業後教室にて |