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基礎演習1

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科目名 基礎演習1
教員名 久保木 秀夫
単位数    1 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 国文学科
学期 前期 履修区分 必修
授業テーマ くずし字を読む、『古今集』古写本の本文を比較する・解釈する
授業のねらい・到達目標 日本古典文学を代表する『古今集』の本文としては、13世紀前半に藤原定家が整えた、いわゆる“定家本”が、今日に至るまで流布し続けている。現代の活字テキストや注釈書類もほぼすべて、この定家本をもとにしている。しかし定家以前の『古今集』の古写本を調べると、同じ作品でありながら、定家本とは大きく異なった本文(異文)を多数見つけることができる。伝本によって本文が違う、というのが、中古中世文学の大きな特徴のひとつと言える。
この授業の前半では、『古今集』主要古写本の図版などに基づきながら、くずし字を解読する練習をしていく。と同時に、『古今集』にまつわる諸問題について、グループを組み調査、報告してもらう。
後半では、『古今集』の古写本が持つ異文について、現代の活字テキストや注釈書などを参考にしながら、受講生自身の力で解釈し、個別に発表し、議論していく。
そうした過程で、調査の仕方、発表の仕方、レポートの書き方などを身に付けていく。合わせて、くずし字を読む練習も適宜行っていく。
授業の方法 (前半)
(1)くずし字解読の基礎を学んだ上で、くずし字で書写された『古今集』主要古写本を、図版に基づきながら読み進めていく。同時に古語辞典等を引きながら、その本文の意味を考えてみる。
(2)並行して、『古今集』の内容・成立と時代背景・撰者・(古今集を含む)勅撰和歌集、などについて、グループを組み、担当と順番を決め、調査・報告してもらう。
(後半)
(3)教員側であらかじめ選定しておいた『古今集』の歌について、1人1首の担当と順番を決め、担当時までに口頭発表の準備をしておく。
(4)発表のための調査方法、発表方法などについては、早い段階で、教員側で具体例を示す。
(5)9回目から、1時限に2人ほどのペースで口頭発表、質疑応答を行っていき、古典文学研究についての知識と技術を実践的に学び、かつ深めていく。
(6)なお学期末に、担当分についてのまとめを中心とする最終レポートを課す。
履修条件 人数調整を行うため、受講希望者はガイダンス時に希望調査用紙を受け取り、必要事項を記入の上、4月7日(土)12時00分までに国文学科前のレポートボックスに提出すること。受講許可は、4月9日(月)8時50分頃、国文学科掲示板に示す。
事前学修・事後学修,授業計画コメント ・初回に参考文献を紹介するので、それぞれを事前に(習慣的に)読み進めておくこと。
・各回に発表される『古今集』の各歌について、担当者以外の受講生も、『古今集』諸注釈を確認し、予備知識を仕入れておくこと。
・発表時の質疑応答を踏まえ、担当者は追加調査し適宜補足発表を行うこと。担当者以外の受講生は、各回の発表と、質疑応答で浮かびかがってきた問題点等につき、ワークシート等を用いつつ、的確に文章化する練習を行うこと。
授業計画
1 授業内容の確認、参考文献の紹介、グループ分け、担当・スケジュールの決定など
2 調査方法の基礎
くずし字解読の基礎
3 発表方法の基礎
くずし字を読む1:定家筆本など①
4 主要データベースの紹介/ワークシートについて・学期末レポートについて
くずし字を読む2:定家筆本など②
5 グループ発表1:『古今集』の内容について
くずし字を読む3:元永本など①
6 グループ発表2:『古今集』の成立・時代背景について
くずし字を読む4:元永本など②
7 グループ発表3:『古今集』の撰者について
くずし字を読む5:高野切など①
8 グループ発表4:勅撰和歌集について
くずし字を読む5:高野切など②
9 個別発表・質疑応答1
10 個別発表・質疑応答2
11 個別発表・質疑応答3
12 個別発表・質疑応答4
13 個別発表・質疑応答5
14 全体討論:『古今集』の本文・異文について
15 まとめ、学期末レポートについて(再確認)
その他
教科書 笠間影印叢刊刊行会 『字典かな 出典明記 改訂版』 笠間書院 1972年
プリントを配布する。webシステムで配付する場合もある。
古語辞典(紙媒体・電子媒体いずれでも可)を毎回必ず持参すること。
参考書 授業の中で適宜紹介する。
成績評価の方法及び基準 レポート(40%)、授業参画度(30%)、発表(30%)
・質疑応答の際の発言頻度、ワークシートの充実度なども授業参画度に反映される。
オフィスアワー 開講時に伝える。

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