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科目名 | 美学演習1 | ||||
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教員名 | 桑原 俊介 | ||||
単位数 | 1 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業テーマ | 『複製技術時代の芸術作品』(第2稿 1935-6)を中心とするベンヤミンのメディア論・言語論を講読します。この短い論考は、アウラというベンヤミンのキータームが現れるのみならず、技術と知覚との相互依存関係、つまりメディア技術のあり方が人間の感性や知覚のあり方・形式をどのように変化させるのかを記述する現代メディア論の端緒となる記念碑的な論考です。19世紀における複製技術の変化、とりわけ映画技術の登場が、当時の人々の感性や知覚、さらには芸術作品を捉える眼差しや認識の形式をどのように変化させたのかを検討します。またあわせて、関連する論考「写真小史」(1931)、「パリ――19世紀の首都」(1935)や、ベンヤミンの言語に関する理論的考察を含む「言語一般および人間の言語について」(1916)も講読します。 |
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授業のねらい・到達目標 | 本演習を通じて、人間の知覚が決して自然なものではないこと、それはむしろ知覚の相関者となるメディアの形式に従って強力に(共犯的に)組織されていること、さらにメディアを介した知覚は、現実の知覚とは異なるリアリティを有することなどを、具体的な作品と理論を参照しつつ理解することが目標となります。メディアとは「装置」であり、知覚や経験の「訓練」の場なのです。 |
授業の方法 | あらかじめ各回の担当を決め、担当者が作成したレジュメを下敷きとして議論する演習の形式を採ります。 |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | 授業前には、担当者以外も、担当者と同じ形式の予習が課されます。授業後には、授業で暑かった箇所を今一度精読し、予習段階での読みと授業内での読みとの差異を明確化することを試みてください。なお予習・復習は、それぞれ最低2時間とします。 |
授業計画 | |
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1 | イントロダクション:ベンヤミンとは。メディアとは。 |
2 | 『複製技術時代の芸術作品』§1〜2:複製技術の歴史 |
3 | 『複製技術時代の芸術作品』§3〜4:芸術作品の《いまここ》的性質、真正さ、アウラ |
4 | 『複製技術時代の芸術作品』§5〜6:アウラと伝統、礼拝価値と展示価値、遊戯、装置 |
5 | 『複製技術時代の芸術作品』§7〜9:写真と映画 |
6 | 『複製技術時代の芸術作品』§10〜11:知覚のテスト、訓練としての映画 |
7 | 『複製技術時代の芸術作品』§12〜13:メディア技術と大衆、自己疎外 |
8 | 『複製技術時代の芸術作品』§14〜16:器械装置と現実感覚、映画による新しい知覚 |
9 | 『複製技術時代の芸術作品』§17〜19:沈潜的鑑賞と注意散漫、メディア技術と戦争 |
10 | 「言語一般および人間の言語について」(1):言語における伝達と、言語による伝達の違い |
11 | 「言語一般および人間の言語について」(2):言語と創造 |
12 | 「写真小史」(1):写真と絵画(肖像をめぐって) |
13 | 「写真小史」(2):写真とアウラ |
14 | 「パリ 19世紀の首都」(1):パサージュ、万国博覧会 |
15 | 「パリ 19世紀の首都」(2):ボードレール、オスマン |
その他 | |
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教科書 | ヴァルター・ベンヤミン 『ベンヤミン・コレクション〈1〉近代の意味 (ちくま学芸文庫)』 筑摩書房 1999年 第2版 |
参考書 | ヴァルター・ベンヤミン 『図説 写真小史 (ちくま学芸文庫)』 筑摩書房 1998年 第1版 B. Lindner. (Walter Benjamin : Werke und Nachlaß : Kritische Gesamtausgabe Bd. 16), Das Kunstwerk im Zeitalter seiner technischen Reproduzierbarkeit:Walter Benjamin, Suhrkamp, 2013, 1 edition 参考書に関しては授業内にて指示する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(30%)、授業参画度(70%) |
オフィスアワー | 授業終了時 |