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文学1

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科目名 文学1
教員名 向井 秀忠
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 総合教育科目
学期 後期 履修区分 選択
授業テーマ カズオ・イシグロの小説を用い、単に作品を鑑賞するだけでなく、背景的な知識を踏まえながら読み解くために必要な手法について学ぶ。また、各作品において扱われる問題について、外国のこととするのではなく、現代の日本に生きる自分たちの問題として考えるための視点を得ることを目標とする。
授業のねらい・到達目標 講義の基本的姿勢としては、文学作品は作家個人によってだけ書かれたものではなく、彼らが生きた時代の影響を大きく受けていると考え、広く作品を理解していくことを目標とする。例えば、読書をする人の数が急速に増えるとか、出版の形式が変わるとか、人間に対する理解が変わるなど、大きく社会が変わるときには書かれる文学作品もそれに合わせて変わるが、それらの社会的変化と文学作品とをリンクさせながら、それぞれの作家や作品について考えていく。本講義は、作品の中で扱われている問題について、それが昔のイギリスのものにとどまらず、現在の日本で暮らす私たちのものでもあることを認識し、自分たちの問題として考えていくためのヒントとするためのものとしたい。
授業の方法 ノーベル文学賞を受賞したイギリスの作家カズオ・イシグロの作品を紹介することを通して、現代のイギリスの社会・文化について学びます。個人および集団の「記憶」を扱うべきなのかについて考えることも中心に、現代社会の問題(格差・人工知能・医学倫理など)を通して、現代社会を生きるものとしてどのように考えるべきなのか、を探っていきます。授業では、イシグロの小説を順番に紹介しますが、特に『日の名残り』と『わたしを離さないで』については、映画化された作品なども踏まえ、詳しく講義します。この授業は講義形式で行います。
履修条件 特になし。
事前学修・事後学修,授業計画コメント 事前に指示された「キーワード」を中心に、文献や参考書などを必ず読んでおくこと。また、講義後は、授業時に指示された項目について各自で調べておくこと。具体的に下記の通り。
第1回 「イギリス」について
第2回 「カズオ・イシグロ」の伝記的事実について
第3回 『遠い山なみに』について
第4回 『浮世の画家』について
第5回 『日の名残り』の歴史的背景について
第6回 『日の名残り』の解釈について
第7回  映画『日の名残り』について
第8回 『充たされざる者』について
第9回 『わたしたちが孤児だったころ』について
第10回 『わたしを離さないで』について
第11回 『わたしを離さないで』の解釈について
第12回  映画『わたしを離さないで』について
第13回 『フランケンシュタイン』について
第14回 テストの準備および復習
第15回 『忘れられた巨人』について
授業計画
1 ガイダンス(授業のテーマや到達目標及び授業の方法について説明する)
2 カズオ・イシグロと現代イギリス小説
3 『遠い山なみの光』(1982)について
4 『浮世の画家』(1986)について
5 『日の名残り』を読む、その1(作品の前半)
6 『日の名残り』を読む、その2(作品の後半)
7 『日の名残り』の映画を観る
8 『充たされざる者』(1997)について
9 『わたしたちが孤児だったころ』(2000)について
10 『わたしを離さないで』(2005)について、その1(作品の前半)
11 『わたしを離さないで』(2005)について、その2(作品の後半)
12 『わたしを離さないで』の映画を観る
13 メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』(1818)について
14 まとめと授業内テストおよび到達度の確認(解説を含む)
15 『忘れられた巨人』(2015)について及びカズオ・イシグロの作品世界について
その他
教科書 必要に応じてプリントを配布します。
参考書 カズオ・イシグロ 『日の名残り (ハヤカワepi文庫)』 早川書房 2001年
カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)』 早川書房 2008年
カズオ・イシグロの作品はすべてハヤカワepi文庫で読むことができます。
その他、参考書は必要に応じて紹介します。
成績評価の方法及び基準 レポート(20%)、授業内テスト(50%)、授業参画度(30%)
「レポート」は作品についての小レポート(800字程度)、「授業内テスト」は第14回目の授業時に行うまとめのテスト、「授業参画度」はレスポンシート。
オフィスアワー 授業の前後の休み時間。
備考 イギリス文学の話になりますが、あまり専門的なことは扱いません。外国の文学に興味があれば履修は大丈夫です。ただ、主に扱った作品の原作を読んだ上で、どちらかについてのレポートを作成してもらいます。

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