災害社会学１

授業テーマ	災害と情報・避難・人々の意識
授業のねらい・到達目標	地震・津波・火山活動・大雨・台風などによって発生する災害について、社会学・社会心理学・社会情報論の観点から講義します。災害を、理・工学（自然科学）の立場からではなく、社会学およびその関連分野（社会科学・人文科学）の立場から考えることにより、これまでとは違った見方で評価することや、新たな問題点を浮き彫りにすることを本講義の目的とします。なお、前期開講の本科目と後期開講の「災害社会学２」は連続した内容です。
授業の方法	後期開講の「災害社会学２」とあわせて1年間を通して行う講義です。これまでの災害研究を踏まえて、災害と情報、避難、パニックならびに意識などについて講義します。
履修条件	特になし
事前学修・事後学修，授業計画コメント	これまでの災害研究をもとに、社会学・社会心理学における災害と情報の機能や人々の対応・意識に関する理論やモデルなどに触れながら講義をします。後期に開講する「災害社会学２」では、この「災害社会学１」の内容を踏まえて、災害の事例研究について講義をします。

授業計画
1	ガイダンス　「災害社会学」概説（以下、予定）
2	災害とパニック（1）　パニックとは
3	災害とパニック（2）　災害の際にパニックは起こるのか
4	災害とパニック（3）　パニック神話
5	災害情報の機能（1）　流言・デマ
6	災害情報の機能（2）　災害情報と社会的混乱
7	災害と避難（1）　人々が適切な対応をしない理由　　正常化の偏見
8	災害と避難（2）　人々が適切な対応をしない理由　　警報慣れ
9	災害と避難（3）　人々が適切な対応をしない理由　　災害文化
10	災害と避難（4）　人々が適切な対応をしない理由　　経験のマイナス作用
11	災害と避難（5）　人々が適切な対応をしない理由　　近年注目されている特性
12	災害と報道（1）　災害報道の機能
13	災害と報道（2）　災害報道の課題
14	第2回目から第13回目までの講義内容について質疑応答を行う
15	これまでの復習・解説を行い授業の理解を深める

その他
教科書	使用しません
参考書	廣井　脩　編『災害情報と社会心理』北樹出版 2004年大矢根淳・浦野正樹・田中淳・吉井博明　編『災害社会学入門（シリーズ　災害と社会）』弘文堂 2007年吉井博明・田中淳　編『災害危機管理論入門（シリーズ　災害と社会）』弘文堂 2008年田中淳・吉井博明　編『災害情報論入門（シリーズ　災害と社会）』弘文堂 2008年廣井　脩『流言とデマの社会学』文芸春秋（文春新書） 2001年そのほか、授業中に紹介します。
成績評価の方法及び基準	試験(80%)、授業参画度(20%)
オフィスアワー	授業中に伝えます
備考	・「ボランティア」や「復興」については、この授業では、ほとんど触れませんので、この点を留意して受講してください。・災害の映像を使用しますので、このような映像が負担になる学生、映像の視聴により気分が悪くなる学生は、映像を使用する間、退室しても構いません。