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科目名 | 近代文学講義2 | ||||
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教員名 | 竹田 志保 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業テーマ | 〈メロドラマ〉を読む |
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授業のねらい・到達目標 | 〈メロドラマ〉とは、ジャンルを示すだけでなく、モチーフ、ドラマの形式、演出のあり方などとしても使用される極めて定義の困難な用語である。一方では単に俗情的であることを指して、あるいは女性向けのジャンルであることを指して、とかく否定的な文脈で使用されることが多い。しかし〈メロドラマ〉とは、伝統的な価値観が失われた不安定な近代社会において、道徳的な秩序や美徳を回復するための文化形式として支持されてきたものである。類型化・単純化された善悪の図式と、ご都合主義、「お涙頂戴」的な感傷性を特徴とする物語様式は、読者に現実逃避的な快楽を与えつつ、現実の諸問題への対処の仕方、近代社会のあるべき規範を確認させるものとなる。そしてそのような規範を提示しながらも、ときに解決不可能な矛盾を露呈させ、規範自体に亀裂を生じさせもする。本講義では、〈メロドラマ〉を、そうした社会的言説と物語との拮抗する場として読み解いていくことを試みたい。明治から昭和にかけての〈メロドラマ〉の系譜をたどりながら、同時代言説と物語の分析を行い、その時代のイデオロギーと、人々の欲望のあり方を考察する。 |
授業の方法 | 授業は講義形式をとる。プリント資料を配布し、それに基づいて解説をする。随時、受講者に対してコメントカードの提出も求める。メディア授業は、事前に配布した資料を基に、電子メールを利用し、質疑応答等及びフィードバックを行う。 |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | 事前学習:事前に指定されたテクストを熟読の上受講すること。 事後学習:授業の内容を踏まえて自分のコメントをまとめる。 |
授業計画 | |
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1 | ガイダンス(授業のテーマや到達目標及び授業の方法について説明する) |
2 |
〈メロドラマ〉概論 ① 家庭小説 準備:1回目の配付資料を読んでくること |
3 |
〈メロドラマ〉概論 ② 通俗小説 準備:2回目の配付資料を読んでくること |
4 |
〈メロドラマ〉概論③ メロドラマとは何か 準備:3回目の配付資料を読んでくること |
5 |
テクスト読解 徳冨蘆花『不如帰』① 梗概 準備:「不如帰」を読んでくること |
6 |
テクスト読解 徳冨蘆花『不如帰』② 女の物語/男の物語 準備:「不如帰」を読んでくること |
7 |
テクスト読解 徳冨蘆花『不如帰』③ 映画版観賞 準備:「不如帰」を読んでくること |
8 |
テクスト読解 尾崎紅葉『金色夜叉』① 梗概 準備:「金色夜叉」を読んでくること |
9 |
テクスト読解 尾崎紅葉『金色夜叉』② お宮について 準備:「金色夜叉」を読んでくること |
10 |
テクスト読解 尾崎紅葉『金色夜叉』③ 映画版鑑賞 準備:「金色夜叉」を読んでくること |
11 |
テクスト読解 菊池寛「真珠夫人」① 梗概 準備:「真珠夫人」を読んでくること |
12 |
テクスト読解 菊池寛「真珠夫人」② 瑠璃子というキャラクター 準備:「真珠夫人」を読んでくること |
13 |
テクスト読解 菊池寛「真珠夫人」③ 美奈子への焦点化 準備:「真珠夫人」を読んでくること |
14 |
テクスト読解 菊池寛「真珠夫人」④ 他メディア展開 事前に示した「「真珠夫人」の他メディア展開」の課題について、質疑応答及びフィードバックを行う。 |
15 | これまでの復習・解説を行い授業の理解を深める |
その他 | |
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教科書 | 教科書は特に指定しない。適宜プリントを配布する。 |
参考書 | 入手困難なものについては適宜プリント等を配布するが、徳冨蘆花『不如帰』(岩波文庫他)、尾崎紅葉『金色夜叉』(新潮文庫他)、菊池寛『真珠夫人』(文春文庫他)などについては購入する方が望ましい(電子書籍でも入手できる)。詳しくは授業内で指示する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(50%)、授業参画度(50%) 授業参画度は、コメントカードや課題などの内容・提出状況を基に評価する。 |
オフィスアワー | 授業終了後、講師室で対応する。 |