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暗号理論

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科目名
平成28年度以前入学者
暗号理論
教員名 縫田 光司
単位数    2 学年    4 開講区分 文理学部
科目群 情報科学科
学期 集中 履修区分 選択
授業テーマ 暗号技術に関する理論体系やその数学的基礎を学ぶとともに、情報セキュリティを様々な観点から実現する暗号技術の有用性について考察する。
授業のねらい・到達目標 暗号技術は現在の情報化社会を支える基盤技術であるが、どのような種類の技術が、どういった安全性根拠のもとに存在するかは見えにくい。この授業では、基礎的な暗号技術から最先端で研究が進められている暗号技術まで、いくつかの技術についてその理論背景も踏まえつつ取り扱う。到達目標は、暗号化・認証・プライバシー保護など様々な目的を持った暗号技術に関して、基礎的な概念の理解と具体例の計算・論証を行えるようにすることである。
授業の方法 講義を中心に行うが、必要に応じて授業時間の一部で演習を行う場合もあるので、ノートや計算用紙等を準備しておくこと。
事前学修・事後学修,授業計画コメント 集中講義であり、各日ごとにまとまったテーマを取り扱うが、前日までの講義内容が前提とされる場合もあることと、最終日に授業内テストを行うことから、毎日の授業の後に適宜復習を行うことが望ましい。
授業計画
1 概論:基礎理論から実用まで、暗号技術に関する分野の全体像を概観する。
2 暗号技術の具体例として、共通鍵暗号化技術とハッシュ関数について説明する。
3 情報量的安全な暗号技術の概念と具体例(秘密分散、メッセージ認証符号など)を説明する。
4 暗号技術の計算量的安全性の背景となる計算量理論の基礎事項を説明する。
5 公開鍵暗号化技術の具体例と、選択平文攻撃に対する安全性の概念を説明する。
6 公開鍵暗号化技術に関するより高度な安全性の概念を説明する。
7 暗号技術に用いられる素数生成法について説明する。
8 暗号技術に用いられる楕円曲線の定義や性質について説明する。
9 暗号技術の計算量的安全性の検証に用いるアルゴリズムの具体例を紹介する。
10 暗号化したままデータ演算が可能な準同型暗号化技術について説明する。
11 各自の入力情報を隠しつつ計算を行う秘密計算技術の概念と、準同型暗号の応用について説明する。
12 準同型暗号以外の方法による秘密計算技術の実現について説明する。
13 到達度を確認するための授業内テストを行う。
14 前の時間に行った授業内テストについての解説を行う。
15 これまでの授業時間に取り扱わなかった暗号分野の発展的内容について概観する。
その他
教科書 教科書は特に指定しない。
参考書 今井秀樹(監修)、伊豆哲也 他(著) 『トコトンやさしい暗号の本』 日刊工業新聞社 2010年
光成滋生 『クラウドを支えるこれからの暗号技術』 秀和システム 2015年
森山大輔、西巻陵、岡本龍明 『公開鍵暗号の数理』 共立出版 2011年
これらの参考書は、本講義の内容にそのまま合致するというよりは、本講義の範囲外の題材をカバーしたり、逆に本講義の題材の一部をより深く掘り下げることを意図して選択している。(特に『公開鍵暗号の数理』はかなり高度な内容である。)なお、ここに挙げた以外にも暗号理論に関する書籍が近年多く出版されているので、興味関心に応じて適宜参照すること。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(70%)、授業参画度(30%)
オフィスアワー 非常勤であるので、質問については授業時間の前または後に受け付ける。

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