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倫理学演習3

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科目名
平成28年度以降入学者
倫理学演習3
科目名
平成27年度以前入学者
倫理学演習3
教員名 白根 裕里枝
単位数    1 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業テーマ ギリシア哲学から現代を考える
授業のねらい・到達目標 児童虐待やいじめ、自殺、政治家の疑惑事件から国際紛争まで,毎日どこかでさまざまな事件が起こっている。自殺者が年間3万人を超え、経済状況も閉塞したこの生きづらい時代の中で、どう生きることが正しくて善い選択なのか,迷うことも多々あるだろう。国際情勢をみても、経済状況を見ても、何か時代の転換期に入っているようにも思われる。改めて,私たち一人ひとりの生き方や選択が迫られている。しかし,人生で大事なことは,昔からそれほど変わらないで,かえって今の方がその大事なことを見失っているのかもしれない。いかに生きるべきかという,人生の一番大事なことを,古代ギリシアの知恵を通して、共に探ってみたい。
 授業では、他の人のいろいろな考えを知ることで、自分の生き方や社会との関わりを考え直す機会を得るだろう。多角的視点で考える方法を身につけることは重要である。仕方ないと現実に身を委ねるのではなく、可能な限り再考し、一致点や妥協点や、結論を見つけるための思考力を身につけてゆきたい。
授業の方法 授業では,毎週1章ずつ担当者を決めてテキストを中心に発表してもらい,それを元にテーマを設定して,参加者同士で自由に意見や感想、疑問などを出して,論じあってみたい。グループディスカッション形式を取り入れて、お互いの考えを知る機会を多く持ちたい。授業後にコメントカードを記入することで、自分の考えをまとめ、次回にそれを検討することで、お互いの考えを知り、さらに考察を深めたい。
事前学修・事後学修,授業計画コメント 発表担当者には発表日の前にあらかじめレジュメの原稿を提出(添付など)してもらうので、発表の時期を考えておくこと。出席者は全員、毎回、テキストの課題の箇所を読んできて、取り上げたいテーマを設定して具体的な例を探すなど、自分の考えをよく練ってくること。
授業計画
1 ガイダンス
2 第1章 ソクラテスと「無知の自覚」
 あらかじめテキストを読んできて、討論したいテーマやその具体例など、自分の考えを深めてくること。
(以下、毎回同様)。
3 第2章 オイディプスと自己の深淵-自分を知ることの悲劇
4 第3章 個人と社会(1)-『アンティゴネー』における人の法と神々の掟
5 第4章 個人と社会(2)-プロメテウスとゼウスの贈り物
6 第5章 法と人間(1)-アンティフォンの挑戦と目撃者の不在
7 第6章 法と人間(2)-ソクラテスは,なぜ脱獄しなかったか
8 第7章 力と正義(1)-古代ギリシア人と現実政治
9 第9章 徳と悪徳(1)-プラトン『ラケス』と勇気への問い
10 第10章 徳と悪徳(2)-アリストテレスの勇気論
11 第11章 徳と悪徳(3)-アリスティッポスの人生指南
12 第12章 理性と情念(1)-メディアとまちがいだらけの夫選び
13 第13章 理性と情念(2)-プラトン『国家』における魂の三角関係
14 課題学習
15 前期授業の総括・課題提出
その他
教科書 三嶋輝夫 『汝自身を知れ 古代ギリシアの知恵と人間理解 (NHKライブラリー 196)』 NHK出版社 2005年
参考書 加来彰俊 『ソクラテスはなぜ死んだのか』 岩波書店 2004年
加来彰俊 『プラトンの弁明』 岩波書店 2007年
成績評価の方法及び基準 平常点(30%)、レポート(30%)、授業参画度(40%)
毎回の出席と発表や発言(コメント)などを重視する。
オフィスアワー 授業終了後の20分程、質問に応じます。授業内で配布するコメントカードに記入して下されば、次回授業時に回答します。また、授業時間内に携帯とパソコンのメールアドレスを知らせますので、随時メールにて質問して下さい。

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