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英語11 (英文学科)

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平成28年度以降入学者 英語11 (英文学科)
平成27年度以前入学者 英語11
教員名 福島 昇
単位数    1 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 外国語科目
学期 前期 履修区分 必修
授業テーマ ヨーク家(白バラ)のリチャード(1452 - 1485)はランカスター家(赤バラ)の王ヘンリー6世の病弱に乗じて戦争をしかける。イングランドのバラ戦争(1455 - 85)のはじまりである。リチャードはシェイクスピアによって、ヨーク朝(1461 - 1485)の後継王朝であるテューダー朝(1485 - 1603)の敵役として稀代の奸物に描かれている。リチャードは「われらをおおっていた不満の冬もようやく去り」(1幕1場)と名台詞を吐きながら舞台に登場する。最初の見所はリチャードがアンを言葉巧みに口説く場面。リチャードはアンの夫、父親、さらに義理の父も殺している。
 アン 顔を赤らめ恥じるがいい、この醜い不具者。
 リチャード 手をくださせた真犯人はあなたの美しさなのだ。(1幕2場)
アンは激しく抵抗するも、最後は指輪を受け取り身を任す。
 女の弱さ、脆さなどについて考察する。
授業のねらい・到達目標 「英語11」では、シェイクスピアの『リチャード3世』を読む。英文科の学生ならば少なくとも一度はシェイクスピアを原文で読む必要がある。シェイクスピアの英語は、文学的研究のみならず言語学的研究にも極めて重要だからだ。シェイクスピアの英語は、英文学、米文学、言語学のみならず世界文学の基礎です。シェイクスピアの英語を通して、『リチャード3世』の奥深さを少しでも理解させるのが授業のねらいであり到達目標です。
授業の方法 シェイクスピアによって書かれた英語には、37編の戯曲と154編のソネット集、それにいくつかの長編詩、叙情詩があります。これらの作品は、今から400年以上も前のものであり、語彙、文法、発音などの点で、現代の英語とは大いに異なっています。言語に内在するこれらの点を十分ふまえつつ、テキストにつけられた注釈を参考にしながら、作品を丹念に読むことが求められます。これらの英語が持つ言語的な意味、作品が書かれた16世紀、17世紀当時の社会状況、受容のされ方についても十分念頭に置く必要があります。それらを背景に、現代での受容のされ方と比較しながら、英語という言語に潜在している英語圏文化を理解していきます。シェイクスピアを読むことは、英語の歴史を振り返ることにとどまらず、文学、言語学、音声学、英語教育など英文学科で学ぶほとんどの領域と関連を持ちながら、英語を読むことを意味します。
履修条件 ①英文学科の3年生
②後期の同一時限・同一教員の「英語12」と対にして履修すること。
事前学修・事後学修,授業計画コメント Richard III を事前に読んでおくこと。毎回60行ぐらい読むことを目標とする。授業の最後に次回の授業の範囲を説明します。詳しくは下記の授業計画を参照。
授業計画
1 ガイダンス:授業の方針、到達目標確認試験(定期試験)について
2 事前学修:リチャード・ロンクレイン監督『リチャード3世』(2005)を調べてくる。 
講義内容:リチャード・ロンクレイン監督『リチャード3世』(2005)を鑑賞。シェイクスピアと世界文学、文学批評用語:フェティシズム
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
3 事前学修:リチャード・ロンクレイン監督『リチャード3世』(2005)を調べてくる。 
講義内容:リチャード・ロンクレイン監督『リチャード3世』(2005)を鑑賞。シェイクスピアと世界文学、文学批評用語:フェティシズム
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
4 事前学修:Richard III 1.1.1--1.1.61を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.1.1--1.1.61、喜劇とは何か(1)、文学批評用語:不条理
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
5 事前学修:Richard III 1.1.62--1.1.122を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.1.62--1.1.122、喜劇とは何か(2)、文学批評用語:プロタゴニスト
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
6 事前学修:Richard III 1.1.123--1.2.31を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.1.123--1.2.31、悲劇とは何か(1)、文学批評用語:フロイト的批評
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
7 事前学修:Richard III 1.2.32--1.2.80を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.2.32--1.2.80、悲劇とは何か(2)、文学批評用語:文化研究
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
8 事前学修:Richard III 1.2.81--1.2.140を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.2.81--1.2.140、歴史劇とは何か(1)、文学批評用語:文彩
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
9 事前学修:Richard III 1.2.141--1.2.200を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.2.141--1.2.200、歴史劇とは何か(2)、文学批評用語:マルクス主義文学理論
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
10 事前学修:Richard III 1.2.201--1.2.267を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.2.201--1.2.267、ロマンス劇とは何か(1)、文学批評用語:メタ演劇
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
11 事前学修:Richard III 1.3.1--1.3.61を読んでくる。
講義内容:Richard III1.3.1--1.3.61、ロマンス劇とは何か(2)、文学批評用語:メタレプシス
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
12 事前学修:Richard III 1.3.62--1.3.123を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.3.62--1.3.123、問題劇とは何か、文学批評用語:ラング
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
13 事前学修:Richard III 1.3.124--1.3.184を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.3.124--1.3.184、シェイクスピアの詩、文学批評用語:パロール
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
14 事前学修:Richard III 1.3.185--1.3.236を読んでくる。
講義内容:Richard III 1.3.185--1.3.236、シェイクスピア別人説、文学批評用語:ロゴス中心主義
事後学習:講義内容について図書館やBlackBoard(LMS)を利用し復習する。
15 事前学修:4週目から14週目までの内容を復習する。 
講義内容:到達目標確認試験
事後学習:シェイクスピア劇を観劇し、読書体験と演劇体験の違いを学ぶ。
その他
教科書 Janis Lull, Richard III:The New Cambridge Shakespeare, Cambridge University Press, 2009, 2 edition
参考書 なし
成績評価の方法及び基準 平常点(20%)、授業内テスト(80%)
オフィスアワー 授業終了時

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