批評研究方法論３

授業テーマ	王朝物語と「エディプス物語」
授業のねらい・到達目標	○精神分析をはじめとする、文学研究の理論を援用する力を身につける。 ○精神分析をはじめとする文学理論を、さまざまな作品の分析に援用できるようになる。 ○かつて王朝物語に託されていたものが、現代においてどのような形で表現されているかを理解する。 ○歴史的背景と文学テクストのかかわりを読み解けるようになる。
授業の方法	講義形式
事前学修・事後学修，授業計画コメント	事前学習として、 ○「浜松中納言物語」・「恋路ゆかしき大将」・「風に紅葉」のあらすじや概要を調べておく。 ○参考書としてあげた文献を通読しておく。

授業計画
1	ガイダンス
2	『君の名は。』とラカンの「享楽」の理論
3	『君の名は。』と村上春樹ワールド
4	『君の名は。』の舞台が「飛騨」であることの意味～坂口安吾の説を踏まえて～
5	『君の名は。』の三葉と『源氏物語』の宇治大君
6	進路調整日
7	「浜松中納言物語」と聖杯伝説
8	「浜松中納言物語」と「妹萌」の系譜
9	「浜松中納言物語」における「超常現象」
10	進路調整日
11	「恋路ゆかしき大将」と「少女愛」の論理
12	「恋路ゆかしき大将」における「世界をミニチュア化する欲望」
13	「風に紅葉」と「マゾヒストの万能感」
14	「風に紅葉」と「王権」の終焉
15	全体のまとめ

その他
教科書	教科書はとくに指定しない。必要な教材は、随時プリントにして配布する。
参考書	斎藤環『生き延びるためのラカン（ちくま文庫）』筑摩書房 2012年斎藤環『戦闘美少女の精神分析（ちくま文庫）』筑摩書房 2006年ジャック・ラカン『精神分析の倫理』岩波書店 2002年作田啓一『生の欲動』みずず書房 2003年助川幸逸郎『文学理論の冒険（東海大学文学部叢書）』東海大学出版会 2008年内海健『さまよえる自己（筑摩選書）』筑摩書房 2012年
成績評価の方法及び基準	レポート(80%)、毎回、授業終了時に書いてもらうリアクションペーパー(20%) ○レポート課題は「小説・漫画・ゲームなどジャンルを問わず、フィクション作品をひとつ選び、ラカンの精神分析の理論をもちいて論じなさい」。2000字以上。手書き（コピペ防止のため）。 ○レポートは、400字詰めor200字詰め原稿用紙を使用のこと。
オフィスアワー	授業終了後
備考	○レポートは第十四回目の授業終了時に回収する。それ以外のレポートの受けつけは行わないので、履修にあたって十分注意すること。