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科目名 平成28年度以降入学者 |
美学史3 | ||||
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科目名 平成27年度以前入学者 |
美学史3 | ||||
教員名 | 桑原 俊介 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1・2 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 哲学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業テーマ | 近世・近代の西洋美学の歴史的展開を学ぶ:美と感性的認識を中心として |
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授業のねらい・到達目標 | 17世紀は「方法の世紀」と呼ばれ、学問がその根底から、つまりその「方法」から刷新された時代です。それに伴い人間の「認識能力」に対しても新たな問いが立てられ、人間の「感性(的認識)」に関する様々な理論の樹立が試みられることになります。そしてその流れが、18世紀中葉における近代的な「芸術」概念の成立や、「美学」という新しい学問の成立に結びついてゆきます。この授業では、そのような歴史的展開、さらにはそれ以降の流れを、特に「美」と「感性的認識」という概念をキーワードとして再構成することを目指します。ある概念の成立には、それを可能にする様々な歴史的条件が不可欠です。この授業を通じて、美学に関する様々な思想を、単なる断片的なエピソードとしてではなく、一定の条件の成立とその成就という一連の流れの中で捉えること、さらにはそれぞれの時代の芸術や美学が置かれた状況を、非歴史的・絶対的な観点からではなく、歴史的な観点から、つまりそれを条件づけている種々の前提に即して捉えることができるようになることでしょう。またそれを通じて美学や芸術の新たな可能性への視野が開けてくることも期待されます。 |
授業の方法 | 講義形式 |
履修条件 | なし |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | 事前学習の必要はありませんが、各授業の後に、各回の授業の内容が全体の流れの中でどのように位置づけられうるのかを広い視点から捉え返すことが求められる。 |
授業計画 | |
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1 |
導入:美学とは。感性的認識とは [準備]美学とは何か、自分なりに考えておくこと |
2 |
美の概念史:大理論(調和・均斉)と光の形而上学。近世における美の主観化 [準備]美とは何か、美とは事物の側にあるのか、それともそれを見る人の側にあるのか、自分なりに考えておくこと |
3 |
イギリス経験論(1):ベーコンとロック。観念の新定義。学問における経験・感性的認識の位置づけ [準備]学問の方法とは何か、学問は何によって基礎づけられうるのか、自分なりに考えておくこと |
4 |
イギリス経験論(2):バークリの感性批判、ニュームにおける感性的認識の構造 [準備]経験論という立場で、感覚と経験がどのように関係するのか、自分なりに考えておくこと |
5 |
ドイツ合理主義:ライプニッツからバウムガルテンへ(1):知性と感性。感性的真理 [準備]知性と感性はどのように区別されるのか、感性に固有の真理がありうるのか、自分なりに考えておくこと |
6 |
ドイツ合理主義:ライプニッツからバウムガルテンへ(2):真理と蓋然性。学問と技術 [準備]学問(scientia)と技術(ars)の違い、さらには美学がどちらに分類されるのか、自分なりに考えておくこと |
7 |
ドイツ合理主義:ライプニッツからバウムガルテンへ(3):可能的なものの存在論・感性論 [準備]現実的なものではなく、可能的なものについても真理が問われうるとすれば、どのようにしてか、自分なりに考えておくこと |
8 |
フランス:曰く言い難きもの。趣味。「芸術(ボ・ザール)」概念の前史と成立。百科全書 [準備]一般的な ars(技術)と beaux arts(芸術)とを区別する基準は何か、自分なりに考えておくこと |
9 |
バウムガルテンからカントへ:芸術概念の受容(ズルツァー)、芸術の自立性(モーリツ)、認識能力の三分法(メンデルスゾーン) [準備]芸術の自立性(自律性)とはどのような意味か、それは何からの自立なのか、自分なりに考えておくこと |
10 |
カント『判断力批判』(1):「批判」とは。第一批判・第二批判との関係。美的判断と目的論。 [準備]批判とは何か、自分なりに考えておくこと |
11 |
カント『判断力批判』(2):カテゴリー表に即した美的判断の規定(質・量) [準備]「このバラは私にとって美しい」という表現が成立するか否か、自分なりに考えておくこと |
12 |
カント『判断力批判』(3):カテゴリー表に即した美的判断の規定(関係・様相) [準備]美の判断は、必然か偶然か、自分なりに考えておくこと |
13 |
カント『判断力批判』(4):美と崇高、天才 [準備]美と崇高はどのように異なるのか、天才とはなにか、自分なりに考えておくこと |
14 |
ヘーゲル『美学講義』:芸術・宗教・哲学。芸術の三段階での展開 [準備]芸術・宗教・哲学が歴史的にどのように関係するのか、自分なりに考えておくこと |
15 |
総括:ゴーティエ『モーパン嬢』:芸術のための芸術 [準備]社会の中での芸術はどのような存在意義を持つのか、自分なりに考えておくこと |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用しない。毎回プリントを配布する。 |
参考書 | 参考書は広範に及ぶので、授業時に適宜紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | 試験(10%)、平常点(10%)、レポート(80%) |
オフィスアワー | 授業終了時 |