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平成28年度以降入学者 | 文芸批評史 | ||||
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平成27年度以前入学者 | 文芸批評史 | ||||
教員名 | 岩川 ありさ | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業テーマ | 実践する文芸批評―トラウマ研究とクィア批評をつないで |
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授業のねらい・到達目標 | 本講義では、文学・文化テクストを読み解くために必要な文芸批評や文学理論について概観する。前半では、トラウマと文学をめぐって積み重ねられてきた研究について学びながら、記憶をめぐる具体的なテクストを読み解いてゆく。ホロコーストを生き延びた人々の証言を前にして現在を生きる私たちはどのように応答することができるのか。ヒロシマ・ナガサキの記憶を伝達する回路はどのように切り開かれ、受け継がれるのか。山積する課題は、文学と歴史との接続を行おうとするポストコロニアリズム批評、ニューヒストリシズムなどの批評領域でも重要でありつづける。また、ヘイト・スピーチなど差別的な扇動を行う言葉が用いられ、排外主義が進んでいる現在においてすら、小さな言葉が絶望を希望に転化させることがある。幅広い表現に触れることで、言葉を通じて他者と繋がるための倫理について身に着ける。その上で、性、身体、欲望の規範的なあり方を問うフェミニズムやクィア批評の実践について学び、ジェンダーの不均衡や異性愛という枠組みを問い、見えない欲望を引き出す実践について学ぶ。 |
授業の方法 | 講義形式で行う。毎回、コメントの提出が必要。また、必要に応じてグループに分かれてディスカッションも行う。 |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | 毎回、レジュメを配布するので、復習してきてください。また、授業でとりあげた作品に触れ、自分の考えを深めてください。毎回の予習については講義の中で詳しく説明します。 |
授業計画 | |
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1 |
イントロダクション―実践する文芸批評 〔準備〕「否定」と「批評」の違いについて考えてきてください。 |
2 |
どの位置から何を(1)―「TOMORROW 明日」と不可逆的な時間 〔準備〕1945年8月9日について調べてきてください。 |
3 |
どの位置から何を(2)―「父と暮らせば」における声 〔準備〕1945年8月6日について調べてきてください。 |
4 |
どの位置から何を(3)―「ヒロシマ・モナムール」と表象不可能性 〔準備〕広島への原子爆弾投下について日本以外の地域で書かれた記事を見つけてきてください。 |
5 |
誰に共感するのか(1)―「この世界の片隅に」1 〔準備〕2017年8月15日のニュースについて調べてきてください。 |
6 |
誰に共感するのか(2)―「この世界の片隅に」2 〔準備〕「この世界の片隅に」の感想を書いてください。 |
7 |
誰に共感するのか(3)―「ものすごくうるさくてありえないほど近い」 〔準備〕2001年9月11日のニュースについて調べてきてください。 |
8 |
この時代の中で(1)ーヘイト・スピーチの現在 〔準備〕ヘイト・スピーチについて調べてきてください。 |
9 |
この時代の中で(2)ーセーラー服の歌人・鳥居 〔準備〕鳥居さんの短歌を読んできてください。 |
10 |
この時代の中で(3)ー小さな島の小さな歌:詩人・塔和子 〔準備〕塔和子さんの詩を読んできてください。 |
11 |
フェミニズム/クィア批評(1)ー「わたし」を語る言葉 〔準備〕フェミニズムについて調べてきてください。 |
12 |
フェミニズム/クィア批評(2)−「3」という数字:村田沙耶香「トリプル」 〔準備〕クィアという言葉について調べてきてください。 |
13 |
フェミニズム/クィア批評(3)―クィア批評の展開 〔準備〕クィア批評の展開についてまとめてきてください。 |
14 |
まとめ1―記憶を引き継ぐということ 〔準備〕記憶のメカニズムについてまとめてきてください。 |
15 |
まとめ2―人文学と批評の使命 〔準備〕これまでの講義のレジュメを復習してきてください。 |
その他 | |
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教科書 | 毎回、レジュメを配布します。 |
参考書 | テリー・イーグルトン(著)、大橋洋一(訳) 『文学とは何か―現代批評理論への招待(上)』 岩波文庫 2014年 テリー・イーグルトン(著)、大橋洋一(訳) 『文学とは何か―現代批評理論への招待(下)』 岩波文庫 2014年 岡真理 『記憶/物語』 岩波書店 2000年 エドワード・W・サイード 『人文学と批評の使命―デモクラシーのために』 岩波現代文庫 2013年 内藤千珠子 『愛国的無関心: 「見えない他者」と物語の暴力』 新曜社 2015年 黒岩裕市 『ゲイの可視化を読むー現代文学に描かれる<性の多様性>?』 晃洋書房 2016年 飯田祐子 『彼女たちの文学―語りにくさと読まれること』 名古屋大学出版会 2016年 村上陽子 『出来事の残響―原爆文学と沖縄文学』 インパクト出版会 2016年 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(70%)、毎回のコメント(30%) |
オフィスアワー | 質問等は講義の後に受けます。また、初回配布のプリントに連絡先を書きます。 |