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科目名
平成28年度入学者
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科目名
平成27年度以前入学者
理論・学説名著講読2
教員名 杉谷 武信
単位数    2 学年 2~4 開講区分 文理学部
(他学部生相互履修可)
科目群 社会学科
学期 前期 履修区分 選択
授業テーマ 中根千枝の著作を読んで、日本社会の特徴を考察できる理論を学ぶ
授業のねらい・到達目標 中根千枝の『タテ社会の人間関係』(1967)は現代日本の特徴を「社会構造」という概念から考察した著作として有名です。
本授業では受講生各自がこの著作を読みながら、「場」や「タテ」組織、「単一社会」等、彼女が提示した重要な用語を学ぶことによって、各自が現代日本社会の現象を考察できる社会学的・人類学的知識を身につけられるようにしたいと考えております。
この著作を通じて、特に日本の企業の特徴(日本的経営)や教育制度の特徴、またそれらの意義や問題点等をつかむことができると思います。
その他、受講生の関心に応じて、現代日本社会のあらゆる現象を理論的に説明できるようになると思います。
日本社会の特徴、あるいは社会学理論に関心のある学生は是非ともこの授業を受けて下さい。
授業の方法 演習と講義を組みあわせて授業を行う予定です。
履修条件 なし。
事前学修・事後学修,授業計画コメント [事前学修]各自は必ず教科書を用意し、私が授業中に指定した講読個所を読んだうえで授業に出席して下さい。なお、受講者が少ない場合は、授業ごとに1~2名程度を指名したうえで、講読個所について報告を実施してもらい、それをもとにディスカッションを行う予定です。
[事後学修]授業中の質疑応答で得られた知識をもとに、事前学習で得られた知識の修正や補強を図ったり、また紹介した文献を閲覧・収集してさらなる社会学的知識の獲得に努めてください。
授業計画
1 ガイダンス
[準備]1年で学習した西欧の社会学理論(特に、テンニースをはじめとする集団・組織論)を見直しておくこと。
2 『タテ社会の人間関係』の構成の確認
[準備]教科書3~24ページを読んでおくこと。
3 中根の集団分析のキー概念について
[準備]教科書26~35ページを読んでおくこと。
4 日本社会の特性とは何か(成員の全面的参加と家族ぐるみの雇用関係の存在)
[準備]教科書35~46ページを読んでおくこと。
5 日本社会の特性とは何か(「ウチの者」「ヨソ者」意識の存在)
[準備]教科書46~54ページを読んでおくこと。
6 日本社会の特性とは何か(「単一社会」の存在)
[準備]教科書54~67ページを読んでおくこと。
7 日本社会の特性とは何か(「タテ組織」よる序列の存在)
[準備]教科書70~80ページを読んでおくこと。
8 日本社会の特性とは何か(諸外国と日本社会の相違点)
[準備]教科書80~94ページを読んでおくこと。
9 日本社会の特性とは何か(人間平等主義と過当競争の存在)
[準備]教科書96~106ページを読んでおくこと。
10 日本社会の特性とは何か(中央集権的政治体制の存在)
[準備]教科書107~122ページを読んでおくこと。
11 日本社会の特性とは何か(日本の集団におけるリーダーの特徴)
[準備]教科書123~135ページを読んでおくこと。
12 日本社会の特性とは何か(契約精神の欠如)
[準備]教科書138~146ページを読んでおくこと。
13 『タテ社会の人間関係』についての研究を読む(『タテ社会…』の意義と問題点を考える)
[準備]第12回目の授業で配布したプリントを読んでおくこと。
14 『タテ社会の人間関係』についての研究を読む(中根を含めた、「日本人論」の特徴を考える)
[準備]第13回目の授業で配布したプリントを読んでおくこと。くわえて、レポートを用意し本授業で提出すること。
15 レポート講評と総括、その他補足
[準備]14回目までの授業内容を整理しておくこと。
その他
教科書 中根千枝 『タテ社会の人間関係』 講談社 1967年
『タテ社会の人間関係』は、日本社会の特徴を説明する理論書として、今なお極めて有効です。必ず持参のうえ授業に臨んで下さい。
参考書 青木保 『「日本文化論」の変容』 中央公論新社 1999年
尾高邦雄 『日本的経営』 中央公論社 1984年
中根千枝 『社会人類学』 講談社 2002年
中根千枝 『タテ社会の力学』 講談社 2009年
杉本良夫 ロス・マオア 『日本人論に関する12章』 筑摩書房 2000年
米山俊直 『日本人の仲間意識』 講談社 1976年
社会人類学について知りたい場合は『社会人類学』を、またタテ社会についてさらに考察を深めるさいは『タテ社会の力学』を併読されると良いと思います。
日本的経営の特徴については尾高の『日本的経営』、『タテ社会の人間関係』を含めた日本文化論に関心がある場合は青木の『「日本文化論」の変容』を読むことを勧めます。そのほか、『タテ社会の人間関係』の評価を知りたい場合は米山の『日本人の仲間意識』や杉本とマオアの『日本人論に関する12章』を読むとよいでしょう。
成績評価の方法及び基準 レポート(60%)、授業参画度(40%)
オフィスアワー 本館2階講師室(あるいは教室)にて、授業開始前と終了後に質問を受け付けます。

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