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科目名
平成28年度入学者
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科目名
平成27年度以前入学者
無機応用化学
教員名 山村 剛士
単位数    2 学年    3 開講区分 文理学部
科目群 化学科
学期 後期 履修区分 選択必修
授業テーマ 地球温暖化の防止はこれからの社会にとって重大な問題です。これから社会人となる皆さんは、日常、あらゆる仕事の場面で地球温暖化問題に陰に陽に関わってゆくことになるでしょう。私たちにこれから求められるのは、経済を維持しながら、子孫に負の遺産を残さないで、社会を維持・構築することです。化学は、この地球の温暖化を防止する上で基礎から応用の広い範囲にわたって寄与できる領域です。
本講義では、今後地球の温暖化防止に寄与する化学として、光合成、光化学、太陽電池、電池・電気化学、光電子移動、人工光合成について幅広く学びます。講義の合間をぬって、あるいは並行して、温暖化に関する近年の科学的理解と温暖化の影響、森林問題、および、再生可能エネルギー等に関する様々なトピックスをします。講義は、最近の新聞記事や広告も含めて紹介し、温暖化に関する基本的理解と社会の動向に関する理解を深めてゆきます。
授業のねらい・到達目標 本講義の目的
本講義は、第一に、今後、生活と仕事のあらゆる場面に渡って立ち現れてくるであろう温暖化問題に対し、これを防止するための対策を皆さんが自分で考えることが出来るようになって貰うことです。そのための化学と温暖化防止の科学を統一的に、幅広く学びます。
温暖化防止はなにも大企業や大研究所がプロジェクトチームをつくって解決するだけではありません。何よりも微細な省エネ技術や、バイオガス・バイオマス・太陽光利用など、都市・地方・現場における創意工夫が必要です。
第二に、皆さんが温暖化現象を科学的に理解し、それを周囲の人にわかりやすく説明できるようになることです。そのために、地表温度を決定する要因と温暖化ガスの科学について知り、温暖化が及ぼす長期的影響の実体(海面上昇、異常気象、生物多様性への影響、食への影等)を、化学の講義の合間をぬって紹介します。また、自分で考えるための一助として、グループディスカッションをします。
授業の方法 教科書は指定しません。電気化学、光化学については講義に出てきたキイワードをもとに自発的に勉強して行く姿勢を身につけて下さい。また、日常、新聞・テレビ等を通して温暖化についての一般的知識を蓄えるよう心掛けて下さい。最近の新聞には科学技術欄にしばしば地球温暖化の記事が出て来ますし、広告も生きた教材です。テレビ等でも頻繁に取り上げられ、現代人の必須の知識になりつつありますが、流動的な知識でもあります。出来れば簡単なものでも良いから、自分なりの切り口を決めて良書を選び、知識を深めてください。単位のための出席という半端な考えは、今後の社会人人生に後れを取るもとになります。
3年次の化学系学生が身につけるべき無機、有機、物理化学に関する基本的素養があることが前提です。講義では、無機化学、有機化学、生化学、物理化学の基礎など、幅広く思い出しながら学びますので、折に触れてこれまでの基礎をおさらいして下さい。電子移動反応と光化学については基礎から講義します。授業は板書とスライドを併用して進めます。温暖化に関してはスライドを用いた解説をおこないます。化学に関しては板書します(ノート用意)。
履修条件 3年次の化学系学生が身につけるべき無機、有機、物理化学に関する基本的素養があること.
事前学修・事後学修,授業計画コメント 講義前半では、熱力学や無機化学、有機化学、生化学など、幅広く学びます。これまでの基礎をおさらいしておいて下さい。電子移動反応と光化学については基礎から講義します。

日常、新聞等を通して温暖化についての一般的知識を蓄えるよう心掛けて下さい。最近の新聞には科学技術欄にしばしば地球温暖化の記事が出て来ますし、テレビ等でも頻繁に取り上げられます。現代人の必須の素養になりつつあります。また、出来れば簡単なものでも良いから成書を読み知識を深めておいてください。講義後半では、化学技術に関するところで、熱力学や無機化学、有機化学、生化学などの話が頻繁に出ます。これまでの基礎をおさらいしておいて下さい。光化学については、基礎を講義をします。
授業計画
1 光合成(明反応、太陽光の問題点、吸収断面積)
トピックス(森林問題)
2 光化学の基礎1(色素による光の吸収と発光、内部転換)
トピックス(世界の森林と森林保護、ドイツの木質ペレット)
3 電気化学の基礎1(電池と起電力、ネルンストの式)
トピックス(様々な電池)
4 電気化学の基礎2(電流・電位曲線、電気二重層)
トピックス(温室効果ガス、黒体放射)
  
       ・・・小テスト・・・
5 電子移動反応(内圏型電子移動、外圏型電子移動、プロトンカップル)
トピックス(炭素循環:地球、海洋、生物)
6 光化学の基礎4  (光電荷分離の理論…効率を高めるには?)光化学の基礎2(光電荷分離の理論…効率を高めるには?)
トピックス(地表温度の推移、ミランコビッチサイクルと人間活動)
レポート課題提示(日経新聞の記事と広告、再生可能エネルギー)
7 光化学の基礎3(エネルギー移動…分子レベルの集光)
トピックス(温暖化の影響、海面上昇、生物多様性、水産業、気候)
8 人工光合成(色素型、半導体型、他)
トピックス(メタン問題、地球と生物の共発展史)
9 太陽電池(半導体、グレッツェル型、ペロブスカイト型など最新電池)
トピックス(水素社会、有機ハイドライド、材料化学)
10 再生可能エネルギーの化学(し尿・生ごみ、メタン発酵)
トピックス(サンアントニオの下水、日本の下水、地方都市のバイオガス発電)
トピックス(バイオマス、バイオガス、バイオリキッド)
11 木質の化学
トピックス(新しい林業、アグロフォレストリー)
12 炭酸ガス貯留の化学
トピックス(再生可能エネルギーと地方再生、技術文明のあり方)
13 考査
14 地球温暖化に関するグループディスカッション
15 考査結果と補講
その他
教科書 教科書は使用しません。
参考書 藤島・相澤・井上 『電気化学測定法(上)』 技報堂
佐々木・石谷編 『金属錯体の光化学 (錯体化学選書)』 三共出版 2009年
西原・田中・市村 編著 『金属錯体の電子移動と電気化学 (錯体化学選書)』 三共出版 2013年
比較的高価であり、院生向きですから、図書館で見るように。
成績評価の方法及び基準 レポート(24%)、授業内テスト(26%)、授業参画度(50%)
成績評価は出席点と小テストおよびレポートの合計で行う。レポート(A4で1~2枚)は14日目のグループディスカッションを基に15日目の時間内に書き、これを提出する。
オフィスアワー 質問その他は各授業後に自由にしてください。そうでない場合は、自宅にメールでお願いします。メールアドレスは授業中に板書します。旅行中以外は対応します。

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