記号と文化

授業テーマ	古典和歌の表現、歌ことばのしくみを理解することを通して、記号と文化について考える。
授業のねらい・到達目標	『百人一首』をとりあげ、その詩的表現の特質を理解する。日本文学と自然、恋愛などの関係を中心として、歌ことばの機能、文化的伝統について考えていく。古典和歌の特質、魅力を知るとともに、作品の背景にある歴史的、文化的な問題についても理解を深める。
授業の方法	室町期から江戸期の百人一首注釈書を参照しながら読解することが中心となる。個々の作品、歌ことばについてどのようなかたちで、どのように読まれてきたかという享受史を確認し、文化との関連をめぐる問題を考えながら講読していく。
事前学修・事後学修，授業計画コメント	近代以前の注釈書を参照しながら読み進めていくので、各回のテーマ、指定作品について事前に一読し、問題点を確認しておくことが望まれる。授業において疑問が残った点、不明な事項については関連資料を調査し、整理しておくと理解が深まる。

授業計画
1	『百人一首』ーー記号と文化の視点からー
2	『百人一首』のなぞ（成立、編者、構成、選歌など）
3	『百人一首』の享受史（室町時代から現代にいたるまで）
4	歌ことばと自然①（梅、桜、若菜）
5	歌ことばと自然②（衣更え、ほととぎす、六月祓）
6	歌ことばと自然③（七夕、紅葉、鹿、月）
7	歌ことばと自然④（雪、千鳥、網代）
8	日本文学と旅①（三笠山の月、手向け山の紅葉、志賀の山越え）
9	日本文学と旅②（吉野の里の雪、小倉山の紅葉、わたの原八十島かけて）
10	恋の歌ことば①（ゆくへも知らぬ恋の道かな）
11	恋の歌ことば②（身をつくしても逢はむと思ふ）
12	恋の歌ことば③（焼くやもしほの身もこがれつつ）
13	『百人一首』と天皇たちの和歌
14	『百人一首』の武士・僧侶たちの和歌
15	まとめーー『百人一首』と日本文化