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英米文学特殊講義8

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科目名
平成28年度入学者
英米文学特殊講義8
科目名
平成27年度以前入学者
英米文学特殊講義8
教員名 野呂 有子
単位数    2 課程 前期課程 開講区分 文理学部
科目群 英文学専攻
学期 後期 履修区分 選択必修
授業テーマ William Shakespeareと並び称される、17世紀英国の叙事詩人John Milton著Paradise Lost, Book IVを読み進むことによって、英国近代の文学、思想、歴史、宗教的背景について理解を深める。
授業のねらい・到達目標 また、近代英語の根幹を為す三本柱はShakespeare、The Authorized Version of King James Bible(通称、『欽定英訳聖書』)そしてMiltonであることは英米では常識であるが、日本ではなぜかShakespeareと『欽定英訳聖書』のみが取り沙汰され、Miltonは等閑視されている。本講義では特にミルトンに焦点を宛てて、叙事詩の伝統の最後に位置し、英米の自由民主主義の先駆けとなる文書を作成したミルトンの文体を綿密に考察する。
授業の方法 授業では、イギリス英語について論じる際には必ず参照するのが常識とされるThe Oxford English DictionaryのCDRomを用いて、Paradise Lost Book IVに出現し、The Oxford English Dictionaryに採用されている語の定義を参照しながら、学生各自が担当箇所を日本語に訳読していく。その上で、指導教師がコメントを加え、訳を修正して、模範訳を提示する。
履修条件 特になし。
事前学修・事後学修,授業計画コメント 学生は担当箇所はもちろん、それ以外の個所も必ず目を通して、授業内容の大枠をあらかじめ理解しておくことが望まれる。新井明訳と平井正穂訳という二つの、極めて優れた日本語訳が入手可能であるため、授業開始以前に作品全体を日本語訳で読了しておくことが授業の速やかな理解にはかかせない。
授業計画
1 Paradise Lost Book IV -その1 エデンの園におけるサタンの懊悩
2 Paradise Lost Book IV-その2 エデンの園におけるサタンの苦闘
3 Paradise Lost Book IV-その3 サタンの決意(神への復讐として人類を堕落させる)
4 Paradise Lost Book IV-その4 サタンの目から見たエデンの園の描写
5 Paradise Lost Book IV-その5 サタンの目から見たアダムとイヴの美しさと幸福な環境
6 Paradise Lost Book IV-その6 サタンはアダムとイブの会話を盗み聞きする
7 Paradise Lost Book IV-その7 サタンは禁断の知恵の木の実を用いて人類を堕落させようと決意する
8 Paradise Lost Book IV-その8 サタンは一旦退場し、天使ウリエルが天使ガブリエルに悪魔の到来を警告する
9 Paradise Lost Book IV-その9 天使たちの警戒
10 Paradise Lost Book IV-その10 アダムとイブの夕べの祈り
11 Paradise Lost Book IV-その11 天使ガブリエルは二人の天使をアダムとイブの警護のために送る
12 Paradise Lost Book IV-その12 警護の天使たちは、サタンが蛙の姿でイブを誘惑しているのを見つける
13 Paradise Lost Book IV-その13 警護の天使たちはサタンを捉え、ガブリエルのもとへ引っ立てる
14 Paradise Lost Book IVに関するリポート作成課題
15 Paradise Lost Book IV-その14 ガブリエルはサタンを尋問するも、サタンは逃亡する
その他
教科書 Alastair Fowler 『Milton: Paradise Lost (re-issue) (Longman Annotated English Poets) 』 Longman
大学院の授業では、最初からAlastair Fowler注のこの版を使用して読み続けているため、継続してこの版を使用する。注などが極めて充実しており、『楽園の喪失』を読む際には、今のところ最高の注釈だと考えられる。
参考書 新井明訳 『楽園の喪失』 大修館
新井明 野呂有子共編 『摂理をしるべとして』 リーベル出版 2003年
野呂有子 『詩篇翻訳から『楽園の喪失』へ―出エジプトの主題を中心として』 冨山房インターナショナル 2014年
参考として挙げた書籍はすべて英文学科図書室や英文学専攻の大学院生室に備えてあるので、折を見て目を通しておくことが望ましい。
成績評価の方法及び基準 平常点(20%)、授業参画度(60%)、『英語英文学論叢』に論文を掲載した場合(20%)
毎回の授業と授業での発表を積み重ねていくことによって英語の実力と英文学作品を鑑賞する力が、重層的に身につくため、自分に発表分担がない場合でも必ず授業に出席することが望ましい。そのため、平常点と授業参画度を極めて重視して評価を行う。また、『英語英文学論叢』に論文を掲載することは強制ではないが、目標をもって意識的に授業の内容を身に着けるくせをつけて欲しいため、掲載された場合、それを評価に反映することとした。
オフィスアワー 毎週水曜日昼休みに野呂研究室において

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