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科目名 | 東洋史概説2 | ||||
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旧カリキュラム名 | 東洋史概説2 | ||||
教員名 | 高井 康行 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 史学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業テーマ | 東アジア近世における「官」と「吏」 |
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授業のねらい・到達目標 | 近年の日本において、政治家などによる官僚批判がしばしば行われ、行政における「政治主導」というスローガンが掲げられている。このような現象は、前近代の中国においても士大夫官僚による胥吏批判という形でしばしば出現する。中国の官庁は中央政府(概念的には主権者たる皇帝ということになる)の任命により3年程度の任期で異動を繰り返す「官」「命官」と呼ばれる数名の上級職員と、基本的には官庁ごとに採用され当該官庁内で昇進してゆく「吏」「胥吏」と呼ばれる多数の実務職員によって構成されていた(これは選挙を通じて選出された政治家が大臣や知事などとして多数の公務員の上に立つ現代日本の行政機構と相通じるものがある)。また、「官」と「吏」の違いは任命形態や役割だけでなく、「官」は支配階層である「士」とみなされる一方、「吏」は被支配階層である「庶」に属すとみなされ、観念的な身分の上で地位の隔絶が存在した。 前述のように「吏」は政治における弊害の源としてしばしば批判の対象となっているが、しかしながら行政機構の大部分を構成する実務職員であることを考えれば、「吏」の存在を抜きにして前近代(とくに「官」と「吏」の分化が明確化してきた宋代以降)の中国の行政を語ることは困難である。そこで、本講義では近世中国を中心に「吏」の実態について検討すると同時に、朝鮮や日本における「吏」的な存在についてもあわせて考察することを通じて、近世東アジアの政治・社会についての理解を深められるようにしたい。また、近年の研究において「吏」の存在が東アジアの近代史に果たした役割が注目されており、その点についても講義を通じて理解を深めていきたい。 |
授業の方法 | 板書を中心とした講義形式でおこなう。資料等は必要に応じて配付する。 |
授業計画 | |
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1 | ガイダンス |
2 | 胥吏の起源 |
3 | 胥吏の形成—官と吏の分化 |
4 | 胥吏の成立 |
5 | 胥吏の世界1 |
6 | 官による胥吏批判 |
7 | 官箴書に見える胥吏対策 |
8 | 胥吏の世界2 |
9 | 高麗・朝鮮王朝の胥吏—吏族・郷吏— |
10 | 郷吏の実態 |
11 | 郷吏と近代朝鮮 |
12 | 江戸時代の下級武士の世界 |
13 | 明治維新は胥吏の革命? |
14 | 理解度の確認 |
15 | 総括と補足 |
その他 | |
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教科書 | なし |
参考書 | 宮崎市定 『宮崎市定全集(6)九品官人法』 岩波書店 1992年 宮崎市定 『宮崎市定全集(10)宋』 岩波書店 1992年 梅原郁 『宋代官僚制度研究 (東洋史研究叢刊37)』 同朋舎 1985年 飯山知保 『金元時代の華北社会と科挙制度—もう一つの士人層 (早稲田大学学術叢書14)』 早稲田大学出版部 2011年 李勛相(著)、宮嶋博史(訳) 『朝鮮後期の郷吏 (韓国の学術と文化25)』 法政大学出版局 2007年 磯田道史 『近世大名家臣団の社会構造』 東京大学出版会 2003年 他の参考書は授業中に適宜指示する。 |
成績評価の方法及び基準 | 試験(40%)、レポート(20%)、授業参画度(40%) |
オフィスアワー | 講師室 授業終了後20分間 e-mailでも受付可(随時) |