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科目名 | 教育社会学研究1 | ||||
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教員名 | 宮崎 あゆみ | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 教育学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業テーマ | 本コースは、教育社会学の領域で扱われるトピックに関する、学際的・国際的に最新の知見を検討することで、研究とは何かを学んでいくことを目的にする。コースの前半では、方法論に焦点を当て、量的研究・質的研究の違いを学び、とくに質的研究法の知識を深め、実際に質的調査をデザインし、実践する力を養う。コースの後半では、受講者の関心に沿って、文献調査の手法を学び、テーマのレビューを行い、文献購読を行う。文献購読の際には、論文の形式、表現や引用の仕方など、論文執筆の基本的なテクニックだけではなく、論文のアーギュメントの作り方、概念や理論の援用の仕方、結論の導き方など、質の高い論文を理解し、評価し、生み出すための力を養う。コースの後半では、インストラクターの関心領域であり、教育社会学の中心的なテーマの一つである、ジェンダー/セクシュアリティー・階層・人種/エスニシティーの不平等と教育の問題も取り上げる。 |
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授業のねらい・到達目標 | コースの前半では、質的調査方法を学ぶことにより、質的研究の基本的な特徴と種類を理解することができるようになる。質的調査の様々な段階について学び、明確な調査デザインを描く力が養われる。実際にインタビューや観察などのデータ収集の練習を行い、信頼性の高いデータを生み出す力を育む。 コースの後半では、受講者の関心領域での議論を学ぶと同時に、論文の形式・表現方法、論文のアーギュメントや結論の導き方などを学ぶことで、質の高い論文を生み出すための力を育む。 調査・研究を行う力は、学問の領域だけではなく、社会や教育現場においても、重要なスキルである。信頼性の高い調査・質の高い研究を行う力を育みながら、批判的分析力を高めていく。 |
授業の方法 | コースアサインメントおよび評価方法 —出席およびクラスへの貢献………………………………………………………30% 出席は毎回取り、度重なる欠席は、成績の著しい低下につながる。クラスへの貢献は、クラスでの発表、議論への貢献等によって計られる。クラスで発言の機会を逸した場合は、授業の終わりに手書きのメモやメールでコメントを提出することもできる。 文献購読の際は、文献のレポーター1名が、簡単なレジュメと簡単なコメントを準備し、コメンテーター1名が、論点提起的なコメントを準備することとする。 —リサーチャーアイデンティティメモ……………………………………………10% 授業の2週目までに、受講者の経験、関心、および(もしあれば)調査のアイデアをA4で1枚程度で提出する。 —フィールドノーツメモとインタビューメモのどちらかを選択して提出……10% フィールドノーツメモとは、観察練習を行う際に、A4で1枚から2枚程度で、フィールドノーツおよび練習の感想を書くもの。インタビューメモとは、インタビュー練習を行う際に、A4で1枚から2枚程度で、インタビュー起こし(トランスクリプト)および練習の感想を書くもの。 —リサーチデザインペーパー………………………………………………20% コースの前半で学んだ質的研究法に基づき、受講者の関心に沿った質的調査をデザインするペーパー。A4で5枚程度。提出はコースの後半の最初の週とする。 —ファイナルプレゼンテーションおよび発表…………………………………………30% コースの終盤で、受講者の関心領域における論点や調査デザインについて発表を行い、ペーパーを執筆する。 |
授業計画 | |
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1 |
第1回 4月12日:イントロダクション 研究とは何か。研究のスタイルはどのようなものか。 インストラクターおよび受講者の自己紹介。 |
2 |
第2回 4月19日:質的研究と量的研究の違い 量的研究・質的研究は、どのような枠組み・データ・クエスチョンの調査をさすのだろうか。質的研究をデザインする際の、5本の柱(目的・文脈・リサーチクエスチョン・方法・信頼性の確保)とはどのようなものか(リサーチアイデンティティメモの締め切り)。 |
3 |
第3回 4月26日:休講(振替日は受講者と相談の上決定)質的研究の種類 質的研究にはどのようなものがあるのだろうか。インタビュー、参与観察、ドキュメント分析、会話分析、エスノグラフィー、フェミニスト調査法など、多様な質的研究の方法の例を紹介する。 |
4 |
第4回 5月10日: エスノグラフィー エスノグラフィーに関して、インストラクターによる発表「学級における中学生のジェンダー・言語・身体の相互交渉をエスノグラフィーする」。エスノグラフィーのリサーチデザイン、実践、分析の概要を説明する。 |
5 |
第5回 5月17日:ドキュメント分析 ドキュメント分析とはどのような研究か。ドキュメント分析の論文の例を検討する。 |
6 |
第6回 5月24日:エスノメソドロジー エスノメソドロジーとはどのような研究か。エスノメソドロジーの論文の例を検討する。 |
7 |
第7回 5月31日:ライフヒストリー ライフヒストリー研究とはどのような研究か。ライフヒストリーの論文の例を検討する。 |
8 |
第8回 6月7日:質的方法の多様性とリサーチデザイン 質的研究とは、どのような枠組みか、どのようなクエスチョンに導かれるのか、どのような結論を導くのか。質的研究を行うためには、どのような段階を踏めばよいのだろうか。第7回までに購読した研究を基に、質的方法論についてのディスカッションを行う。質的研究をデザインする際の、5本の柱(目的・文脈・リサーチクエスチョン・方法・信頼性の確保)について、受講者の関心を例に再検討する。 |
9 |
第9回 6月14日:インタビュー 質的調査の代表的な手法の一つであるインタビューとはどのようなものか。インタビュークエスチョンとリサーチクエスチョンの違い、インタビュー行う手続き、良い質問悪い質問、インタビュー調査の倫理的側面など、インタビュー実践について概観し、ディスカッションを行う。 |
10 |
第10回:6月21日:インタビュー実践 インタビューは実際どのように行われるか。受講者でペアを作り、実際にインタビューの練習を行う。(インタビューメモ6月19日締め切り) |
11 |
第11回:6月28日:インタビュー実践フォローアップ インタビューを実際に行った上で、困難な点、工夫の必要な点にはどのようなものがあっただろうか。インタビューの練習の経験を持ち寄り、フォローアップを行う。インタビューを行った経験を基に、インタビューの特質と実践のスキルについてより深い理解を得る。 |
12 |
第12回:7月5日:観察 質的調査の代表的な手法の一つである観察とはどのようなものか。フィールドノーツとはどのようなものか。観察を行う手続き、観察を行う際のフィードノーツの取り方、など、観察実践について概観し、ディスカッションを行う。 |
13 |
第13回:7月12日:観察実践 観察は実際どのように行われるか。受講者でグループを作り、実際に観察の練習を行い、フィールドノーツをつける。(フィールドノーツメモ7月3日締め切り) |
14 |
第14回:7月19日:観察実践フォローアップ 観察を実際に行った上で、観察及びフィールドノーツのつけ方に関して、困難な点、工夫の必要な点にはどのようなものがあっただろうか。観察練習の経験を持ち寄り、フィールドノーツを比べ合い、フォローアップを行う。観察を行った経験を基に、信頼性の高いフィールドノーツをつけるスキルについて学ぶ。 |
15 |
第15回:7月26日:分析のプロセス 観察やインタビューで集めたデータをどのように分析し、どのように書き上げていくか。 分析のプロセスを説明し、初期の分析であるオープン・コーディングの練習を一緒に行う。 |
16 |
第16回 9月20日:階層と教育の不平等 インストラクターが、階層と教育の不平等に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。(リサーチデザインペーパー締め切り) |
17 |
第17回 9月27日:人種/エスニシティーと教育の不平等 インストラクターが、人種/エスニシティーと教育の不平等に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
18 |
第18回 10月11日:ジェンダーと教育の不平等 インストラクターが、ジェンダーと教育の不平等に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
19 |
第19回 10月18日:セクシュアリティーと教育の不平等 インストラクターが、セクシュアリティーと教育の不平等に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
20 |
第20回 10月25日:受講者の関心に沿ったトピック 受講者の関心領域の論点に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
21 |
第21回 11月8日:受講者の関心に沿ったトピック 受講者の関心領域の論点に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
22 |
第22回 11月15日:受講者の関心に沿ったトピック 受講者の関心領域の論点に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
23 |
第23回 11月22日:受講者の関心に沿ったトピック 受講者の関心領域の論点に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
24 |
第24回 11月29日:受講者の関心に沿ったトピック 受講者の関心領域の論点に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
25 |
第25回 12月6日:受講者の関心に沿ったトピック 受講者の関心領域の論点に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
26 |
第26回 12月13日:受講者の関心に沿ったトピック 受講者の関心領域の論点に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
27 |
第27回 12月20日:受講者の関心に沿ったトピック 受講者の関心領域の論点に関してレビューを行い、受講者の関心に沿った文献を選び購読する。 |
28 |
第28回 1月10日:受講者のプレゼンテーション 受講者の関心領域における論点や調査デザインについて発表を行い、ディスカッションを行う。 |
29 |
第29回 1月24日:受講者のプレゼンテーション 受講者の関心領域における論点や調査デザインについて発表を行い、ディスカッションを行う。 |
30 |
第30回 1月31日:受講者のプレゼンテーション 受講者の関心領域における論点や調査デザインについて発表を行い、ディスカッションを行う。 |
その他 | |
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成績評価の方法及び基準 | レポート(40%)、授業参画度(30%)、ファイナルプレゼンテーションおよび発表(30%) |