歴史民俗学２

授業テーマ	身近な民俗（イエ・家族・結婚）
授業のねらい・到達目標	ムラや町会の構成単位であるイエ（家族の系譜的存在）、イエの現在形である家族、家族を形成するうえで大きな役割を果たす結婚に関する民俗に焦点を当て、それがどのように形成されたかを史料をもとに考える。その際、婚姻論において重要な論文とみなされている「聟入考」（柳田国男　昭和３年）を検討し、そこで民俗学と史学との関係も考察し、さらに日本歴史学において焦点であった日本資本主義論争へも言及する。これらの作業により、民俗学が生活に役立つ学問であることを認識する。
授業の方法	授業時に配布するプリントをもとに展開をする。また、関連する民俗行事の映像などがあれば使用する。

授業計画
1	ガイダンス・イエ（≒家族）とは何か
2	家族の現状　(地域性の確認）
3	高齢者の現状（敬老の日の誕生事情）
4	民法（家族関係法）成立史　（「イエ」の観点から）
5	結婚式の現状①（全国）
6	結婚式の現状②（結婚式の構成要素　日取り・結納・仲人・挙式・式場）
7	結婚式の現状③（結婚式の費用・出席者の全国比較）
8	イギリスの結婚の現状
9	「聟入考」考①　史学対民俗学
10	「聟入考」考②　大正の内縁
11	「聟入考」考③　明治のイエ（『不如帰』を中心に）
12	「聟入考」考④　江戸の娘
13	「聟入考」考⑤　鎌倉の嫁入り
14	「聟入考」考⑥　聟入の事例
15	まとめ

その他
教科書	使用しない
参考書	柳田国男『聟入考（定本柳田国男集第１５巻）』筑摩書房 1969年上記以外は授業中に指示する
成績評価の方法及び基準	レポート(50%)、授業内テスト(35%)、授業参画度(15%)
オフィスアワー	授業修了後、本館２階講師室にて２０分ほど